エルドアン大統領が再選~トルコ・ロシア・日本の類似点と相違点

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月6日放送)に外交評論家の宮家邦彦が出演。トルコの大統領に絡めた日本とトルコ、ロシアの地政学について解説した。

エルドアン トルコ 大統領

エルドアン・トルコ大統領=2018年6月23日、イスタンブール(共同) 写真提供:共同通信社

トルコ大統領選で再選したエルドアン大統領

トルコの高等選挙委員会は4日、先月24日に投票が行われた大統領選についてエルドアン大統領が得票率52.59%で再選されたとする公式結果を発表した。今回の選挙後、これまでの議員内閣制から、大統領に実権を集中させる大統領制に移行する。アナトリア通信によると、エルドアン大統領は9日に就任式に臨み、新たな内閣の顔ぶれも発表される予定。

飯田)宮家さんが昨日の産経新聞に書かれた「トルコとロシアの類似性」という記事がありました。

宮家)エルドアン大統領はね、なんともう15年もやっているのですよ。

飯田)15年も。

宮家)安倍2期政権が5年ちょっととか言っているでしょう。15年ですよ。15年やっているのも凄いと思うのだけれど、それより長い人がいる。誰かというと、プーチン大統領です。彼はもう18年ですからね。
ちょっと待ってよ、と。ロシアもトルコも民主主義だよねと。選挙に全部勝っているわけです。凄いと思いませんか? 15年も18年も勝てないでしょう。何かおかしいと思いませんか? 私は何かおかしいと思っているのですが。

トルコ、ロシア、日本3国の類似点

宮家)トルコとロシア、それと日本の類似点を考えました。大航海時代があって、西ヨーロッパ諸国が世界に出てその文化が広がっていく中で、その周辺国があるわけです。その中でそれなりの力を持っている国というと、ロシア帝国と少し前のオスマン帝国ですよね。そういう国を考えてみると、なんとなく西欧にはなりきれないのですよね。
ロシアは共産主義だったけれどコケて、ロシア共和国で民主主義をやって、けれど西欧から受け入れられなくて、プーチンは独裁のようなことをやっているわけです。
トルコだって世俗主義で、民主主義をやるんだと。その後NATOに入って西側の一員だったのに、EUには入れなかった。EUはクリスチャンの集まりだから、結局はヨーロッパに入れてもらえなかったのですよね。中東だとめちゃくちゃしていたので他に行き場がないから、強いリーダーを作る。トルコとロシアのどちらも、やはり西側に対するコンプレックスがあるような気がします。

2国に比べて日本が発展したのは、地理的な問題が大きい

宮家)トルコは、イスラム教だというのがあったのでしょう。ロシアは、東方教会ですよね。地理的に近すぎたのだと思います。日本は、トルコやロシアと同じような形で近代化をして行きましたが、遥かに上手くいきました。ヨーロッパから遠かったこと、宗教的な問題がなかったこと。さらに言えば民度が高いのもあるかもしれないけれど、距離の関係で植民地にはならなかったですよね。いろいろな偶然が重なって、日本の近代化は西欧でもないのに上手くいった。それに比べたら、ロシアとトルコは難しいのだな、という感じがしました。

飯田)地続きでつながっているトルコやロシアと、海を隔てる日本はそこが違ったのですね。

宮家)あまり近すぎても良くないのだなというのを感じました。日本は本当にラッキーだったと思いますよ。

飯田)これは再び、地政学というのを勉強しなきゃいけないですね。

宮家)そして、トルコが不安要因にならければいいのですがね。あそこがなったら、ヨーロッパも中東もおかしくなりますから、要注意の国ではあります。親日的で非常に良い国ですけれどもね。

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