ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」（7月23日放送）に気象協会の福嶋真理子が出演。日本列島を覆う2つの高気圧による猛暑の仕組と、熱中症対策について解説した。

今週も猛暑～底知れぬ暑い夏が続く

今週も東日本や西日本では、引き続き勢力の強い夏の高気圧に覆われる見込み。今日は名古屋や岐阜で39度が予想され、各地で35度以上の猛烈な暑さが続き、身体に堪える天気となっている。この暑さはいつまで続くのか？　気象協会の方に伺っていく。

飯田）昨日は全国の観測地点の7割以上が真夏日。30度以上を観測しました。岐阜県郡上市は39.8度。名古屋市は39.5度でした。この暑さがいつまで続くのか。そして、いつになれば雨が降るのか。気象協会の福嶋真理子さんに伺っていきたいと思います。まず、今週のこの暑さはどうなりますか？

福嶋）まだ出口が見えないところですね。「猛烈な暑さ」という意味では、35度を超えるような暑さは、東日本は明日くらいまで、西日本は金曜日くらいまで続きます。ですが、その後極端に下がるわけではなく、30度以上の真夏日はしばらく続きそうです。気象庁の1カ月予報でも、来月中旬頃にかけても、最高気温は平年よりかなり高い状態が続く予想になっています。猛暑日があまり出なくなったとしても、これまでの暑さでかなり身体に堪える状況になっていますので、やはり注意・警戒が必要になりそうです。

高気圧が高気圧にフタをした結果、日本列島は蒸し焼き状態になっている

飯田）よく「2つの高気圧が重なっている」と言いますけれど、原因は何ですか？

福嶋）まず、太平洋高気圧が強く張り出していて、ずっと停滞して日本付近にあるのが1つ。
そして、西からチベット高気圧が、上空の高いところに張り出してきています。ちょうど日本列島でこの2つが、折り重なるようになっているのです。ですから、太平洋高気圧が持つ暑さにチベット高気圧がフタをして、蒸しているような状態になってしまっているのです。

飯田）「チベットから来るなら涼しいはず」と思っていましたが、そうではなくフタをしてしまっているのですね。

福嶋）そうですね。暑さの逃げ場がない状態になっているイメージです。

この先1週間はまとまった雨は期待できないが、にわか雨による土砂崩れの危険性はある

飯田）一方で、豪雨災害の被害のあった西日本各地。広島、岡山、愛媛とかも、いま暑くなっているのですよね。

福嶋）そうですね。今日も大雨の最中に35度前後まで上がるところがほとんどで、避難生活されている方などは特に、環境変化や、これまでの疲れがかなり出てくる頃だと思います。ですから、35度に達しないところでも、熱中症の危険性はかなり高い状況と言えそうです。

須田）水不足についてですが、雨は降らないのでしょうか？

福嶋）この先1週間程度は、まとまった雨は期待できない状況です。特に今日と明日は、北日本では雨が降るところもありますが、関東から西についてはかなり強い日差しが照りつけます。雨が降ったとしても、午後に局地的な、不安定になることによるにわか雨という感じです。水瓶が満タンになるようなまとまった雨、という感じではなさそうです。

須田）夕立がないのは異常ですよね。

福嶋）そうですね。関東も、今日は山沿いの1部に限られそうです。あまりまとまった雨は期待できなさそうです。ただ、にわか雨の予想が西日本でも出ていますから、短時間で極端にザーッと降ることがあり、それによる土砂災害の危険性は注意が必要です。

飯田）最後に、まだまだ猛暑は続くと予想されていますが、あらためて注意点をお願いします。

福嶋）まずは何よりも熱中症に注意。そして、警戒が必要になってきます。学校の夏休みなどを利用し、被災地でボランティア活動される方も多いと思いますが、可能な限りこまめな水分補給。こまめに日陰での休憩、汗をかいたらこまめに拭き取る。このように、熱中症に対する「こまめ行動」をぜひなさっていただきたいと思います。「大丈夫」と思っていても、突然身体に不調が現れることがあります。油断と過信は禁物です。それから、普段から睡眠や栄養をしっかりとることも大切だし、暑いからと冷たい物ばかり飲食すると、体調不良の原因となります。しっかりした、万全な体調管理をなさっていただきたいと思います。

飯田浩司のOK! Cozy up！
FM93AM1242ニッポン放送　月-金　6:00-8:00