専門家に聞く熱中症対策~サラリーマン・子供・農家の場合

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月19日放送)に熱中症に関する委員会の委員長であり、帝京大学医学部付属病院高度救命救急センター長の三宅康史が電話ゲストとして出演。サラリーマン・子供・農家の熱中症対策について解説した。

専門家に聞く熱中症対策~サラリーマン・子供・農家の場合

熱中症対策~首の血液を冷やすと身体の内部まで冷やすことができる

昨日の午後8時までに熱中症と見られる症状で病院に搬送されたのは、全国で2,392人にのぼり、8人が熱中症の疑いで死亡したことが分かった。気象庁の橋田俊彦長官は会見で、今後の気象に関してさらなる注意を呼びかけている。

橋田)1度高気圧が張り出してきて、いま太平洋高気圧とチベット高気圧の両方が重なっている状態です。晴れの日が続くと、気温が下がらない、非常に高レベルのまま経過して、ずっと長く続く状態になります。今後、少なくとも来週いっぱいは暑いと予報がでています。産業や農業、健康への影響や警戒を、ぜひお願いしたい。

飯田)こまめな水分補給や適度な休憩などの予防策を各所で呼びかけられています。この暑さは、「堪える」というものではないですね。

富坂)グッタリするのでね。積極的な気持ちになるという意味では、私も激しいスポーツをやったりしているのですが、そういうときは首を集中的に冷やしたりします。濡れタオルとか、冷たいペットボトルとかね。

飯田)首は血液が集中していますからね。
具体的にどのような対策をとればいいのか、専門家の方に電話で聞いてみたいと思います。「熱中症に関する委員会」の委員長で、帝京大学医学部付属病院の、高度救命救急センター長でもある三宅康史先生です。「首を冷やす」というのは熱中症対策としてはどうですか?

三宅)首の、特に前側の脇の方は、太い静脈が、身体のなかへ向かって、身体の表面をゆっくり流れています。そこを冷やすと、大量に流れている静脈の血液をしっかり冷やせるのですよ。身体の内部を冷やすことができる。頭部は非常に血流が多く、静脈の血液も多い。それを冷やすのは、効果的です。

専門家に聞く熱中症対策~サラリーマン・子供・農家の場合

かくれ脱水状態の間に対策をして脱水症状を回避する

飯田)最近、「かくれ脱水」という言葉があります。先生は「教えて!『かくれ脱水』委員会」の委員でもいらっしゃいますが、これはどのようなものですか?

三宅)脱水症になる手前でいろいろ手を打ち、脱水になる前に予防しよう、ということです。人間は誰でも、身体から水分は常時失っているのです。でも、水分補給はときどきですよね。そのかくれ脱水の間に、「明らか脱水」になる前に、水分補給や休憩をとろう、ということです。

専門家に聞く熱中症対策~サラリーマン・子供・農家の場合

サラリーマン・子供・農家のそれぞれの熱中症対策方法

飯田)お仕事や立場によっていろいろ環境も違いますので、具体的に伺っていきます。サラリーマン、お子さん、農家。いろいろ対策があると思いますが、どうお考えですか?

三宅)サラリーマンの方はユニフォームがネクタイとスーツ。そして、外の営業や会議となると、暑いなかその格好で移動しなければいけない。ユニフォームを脱ぐわけにはいかないですから、こまめな休憩をとり、冷たい飲み物で水分補給をしっかりとることで、暑い環境下に長くいすぎないようにしていただきたいですね。

飯田)ある意味、適度にサボった方がいいわけですね。

三宅)仰るとおりです。体調を崩されて休まれては、結局は会社にとっても不利ですから。

飯田)これは心強いですね。適度にサボるのも仕事!

三宅)熱中症にならないように、適当に休憩や水分補給をする、ということでお願いします。

飯田)お子さんの場合について。中部地方で、校外学習から帰ってきた小学生が亡くなりましたよね。どういう対策をとればいいですか?

三宅)自由にさせておけば、小さな、走り回って遊べるような子供は大丈夫です。しかし、集団行動などで規制されると、小さな子供は無理を言えない。がんばって一緒に行動してしまいます。こうなると、やはり引率する側。スポーツならコーチや監督、学校なら先生がきっちり休憩や水分補給、目配せをする。多分、1番体調の悪い子から熱中症にかかるから、そういう注意をしてあげて欲しいですね。

飯田)農家の方の場合は?

三宅)農家の方は高齢者の方が非常に多いですよね。そして、田畑には日陰が少なく、休める場所が少ない。それと、1人で作業する場合が多いですよね。
そうすると、日陰で休めず1人で体調を崩した場合、発見してもらえません。ここのところ亡くなっている方を見ると、「畑で1人で倒れていた」という方が非常に多いのです。これはもう、周囲の方に「畑に行ってくる」と言ってから作業をするとか、15分おきに様子を見るとか、携帯電話で連絡するなどのケアをする。そして、本人も十分に水分を用意して、無理をしない農作業をして欲しいですね。

飯田)本人の自覚と周りの目配せ、ですね。農機具があれだけ発達すると、1人でこなせることが増えてしまいますからね。ぜひ、お気をつけいただければと思います。

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