障害者雇用水増し~国も罰則がかかるように法律を変えるべき
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ニッポン放送「高橋洋一のOK! Cozy up!」(8月29日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。障害者雇用の水増し問題について解説した。
障害者雇用の水増し、中央省庁の8割で合計3,460人
中央省庁が雇用する障害者の数を水増ししていた問題で、厚生労働省は中央省庁の8割にあたる27の行政機関で、3,460人が水増しされていたと発表した。
新行)中央省庁などで、40年以上に渡り障害者雇用の水増しが行われていたという問題で、去年6月での雇用率を2.49%としていたのですが、今回の調査で実際のところは1.19%に下がることになったということですね。
高橋)これは言い訳できないくらい酷い話ですね。なぜこうなってしまうかというと、法律でこの障害者雇用については義務付けられているのですよ。民間企業は義務付けられているのですが、国の方は実は適応除外というか対象になっていないのですよ。もしこれを民間でやったら、虚偽報告ということで罰則もかかるし納付金もかかるのですが、これがかかっていないのです。法律を作るときに「国は違う」という法律にしてしまうのですよね。国がもしやっても罰則がかかるようにしたら、こういう風にはならないと思います。
国に罰則がかからないのは欠陥
高橋)私が昔役人だったときに、税務署長をしていたのですよ。そのときに職員で目の不自由な人がいて、それを解雇しろと上の方から言われるわけです。そういうところがあるから法律の立て方も違うし、仕事ができない人という感覚があるのですよね。法律では直していかなければならないのだけれど、この中央省庁が別になっているのは欠陥ですよ。この機に批判するだけではなくて、虚偽報告をしていたのだから、関係者を処分すること。そして政府も同じように規制する方向へ直した方が良いですね。直さないとまた繰り返すと思いますよ。罰則がかかっていないのは欠陥です。
新行)これに関してはメールも頂いているのですが、「昭和男」さん、横浜市にお住まいの方です。「目標の設定や実績を評価する上で数値は不可欠ですが、辻褄合わせに利用される怖さがあります。今回の障害者雇用の水増し問題。単なる事務処理のミスなのか、そうでないのか、原因が何か気になってきます」。
高橋)事務処理のミスではないと思いますよ。こうやって虚偽の報告をしたときには罰則というのは普通。それをつける。民間はそうなのだから、国がないのは不思議でしょう? 罰則の話が出ないで、言い訳ばかりしているでしょう。言い訳しなくても、罰則を法律で作ってしまえば良いのですよ。それこそ国会議員がやるべき仕事なのです。官民で差があるのはおかしいじゃないですか、というそれだけの話です。最近の法律だったら官も民も同じような法規制で、両方とも虚偽の報告をしたら罰則がかかると思いますがね。この法律は少し古いので、国は特権があるという、それだけのことなのですよ。これを機に直した方が良いと思います。法律で直せば、これからは起こりにくくなると思います。
官でも虚偽報告をしたら処罰しなければダメ
新行)雇用の仕方で、対策の1つとして障害者枠を設けて採るのはどうなのだろう、という考え方も出てきているようですけれど。
高橋)でも、民間と同じで障害者枠が何%と書いてあるのだったら、それを守るのは普通じゃないですか。恐らくそういう議論をする人は、民間と政府が別になっているのを騒ぎ立てたくないという人だと思いますよ。民間と政府が別になっているのがいちばんの問題なので、そこを同じように直すのが解決策だと思います。
新行)もう1通メールをご紹介します。豊島区にお住まいの「大津」さんから頂きました。「国の機関によるデータ偽装は1人2人でも許されるものではないのに、3,460人とは何たることでしょうか。しかも死亡した職員まで含めていたとは、呆れかえります。中国発表のデータは信用できないと言いますが、これでは日本のあらゆるデータも信用できないと思ってしまいます」。
高橋)虚偽報告したら処罰しないとだめですよ。性善説というのがあって、政府の役人は大丈夫だと思って法律を作るのですが、その性善説は止めた方が良いです。どんな政府も民間も、きちんとした報告をしなければ罰則されるのが当たり前です。
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