憲法改正を巡る今後の政治の動き
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ニッポン放送「飯田浩司の OK! Cozy up!」(11月14日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。下村博文氏の衆議院憲法審査会の幹事辞退と、来年に向けての政治の動きについて解説した。
自民党下村博文氏が衆院憲法審査会の幹事を辞退へ
自民党の下村博文憲法改正推進本部長が、就任予定だった衆院憲法審査会の幹事を辞退する意向を固めた。下村氏は今月9日に出演したテレビ番組のなかで、改憲論議に慎重な野党を職場放棄と批判し、反発を招いていた。
飯田)この憲法審査会の開催の要求に野党が応じないことに対して「平場で率直に議論さえしなかったとしたら、それは国会議員として職場放棄じゃないか」と発言した。それに野党はかなり反発をしていて、ということだそうです。
高橋)国民目線からしたら、下村さんの方が正しいような気はしますけれどね。
飯田)せっかく憲法審査会があるのにねえ。
高橋)議論ぐらいはしないと、ということですが、議論したくない人が半分野党にいるということなのでしょう。議論したくない人にとっては、何を言っても口実になるというもので、当分は進まないからと下村さんも辞めて一旦休む。来年くらいにまた盛り上がって来たら、ということではないですかね。これは公明党も消極的です。与党のなかでも大変なのですよね。来年の参議院選挙まで消極的だというのは見えていて、参議院選挙の前にやりたくないと、それだけですよ。
参議院選挙の焦点にして勝てば公明党も議論に応じる
飯田)選挙の前に会見が大きく動き出しては、大変ですからね。
高橋)そういう公明党の事情で大変になるということですが、これはもう参議院選挙の焦点にして行くしか、安倍さんには選択肢が無いように思います。
飯田)総裁選が終わった直後の会見などでは、この臨時国会に自民党案を出すという話でしたが。
高橋)それも難しいということではないですか。
飯田)全体が後ろに倒れて行く感じになりますか?
高橋)参議院選挙で焦点にして、選挙に勝てば公明党も議論には応じる、というレベルではないですかね。
飯田)民意がそこで示されれば。
高橋)逆に言うと、示されなかったら憲法改正はもう無理でしょう。
参議院選挙がいつ行われるのか~通常国会の開催は1月頭
飯田)その参議院選挙がいつ行われるかですが、公選法の規定などがあるので、1月の通常国会をどこでスタートさせるかで決まって来るという話がありますね。
高橋)参議院の任期である7月28日までにやらなければいけない、というのは確実です。そうすると公選法のなかで国会がいつまでか、というのが問題で、それから何日以内にやるという形になっているので、なるべく早く開催を前倒しにする。実は通常国会が1月召集と決まっているので、1月でいちばん早く前倒しにできるのが1月4日。3日までは祝日だからできないですよね。4日が最短で、そうなるとすごく選択肢が多くなって、6月下旬から7月下旬まで、全部可能と言えば可能になる。
飯田)慣例的に投票日は日曜なので。
高橋)そうすると6月の末から4回チャンスがある。後ろになればなるほど選択肢が縮まって来るという話です。そうすると、選択肢をなるべく広くしたいでしょうから、1月の頭に招集という可能性が出て来る。でもこれは、公選法を読めば自動的にそうなります。
飯田)法律の規定によって。
高橋)実は国会開催中に開催もできますからね。そうすると自動的に衆参ダブルということは可能です。衆参ダブルにしないと、今回の話で憲法改正を焦点にするのは難しいかもしれません。そうなると、来年10月の消費増税の話がまた絡むのではないかという、複雑な方程式が沢山出てくる。
衆参ダブル選挙の可能性もある
飯田)きょうの朝日新聞が政治面で書いていましたが、衆参ダブルの可能性もある。
高橋)それはあるでしょうし、さっき申し上げたように、参議院選挙までは憲法の話は一切できない、そこで民意を作らざるを得ない。そうなるとあらゆる手段を使っても不思議ではないですよね。
参議院選挙で勝たないといけないし、3分の2取れなかったら憲法改正は全部流れてしまう。厳しい課題ですよね。国民的な世論を盛り上げて3分の2を取るというのを、参議院は課せられています。そのときに、普通はいちばん可能性が高いやり方を選ぶでしょうね。ダブルにすると、野党共闘が難しくなるのですよ。野党共闘されたら勝てないというのがいままでの投票ですよね。
飯田)特に参院の1人区は難しいと言われますね。
高橋)そうなれば当然3分の2は無理だと。それで、今回改選は自民党が多いですから。6年前にアベノミクスで勝った人が随分改選になっているわけです。そのためいろいろな手段を使ってやるから、来年の早々くらいから国会のスケジュールがつば迫り合いになるということです。7月の参議院選挙に向けて、ずっと話題が沢山ありますよ。
飯田)解散風が吹いたり、また止んだりと。
高橋)5月の予算が終わったら、あまり本案を出さないでしょうから。そうすると解散風が5月から吹いて、更に改元でしょう。目白押しですよね。4月には統一地方選挙もあるし、本当に大変。
飯田)衆参ダブルをやると投票用紙が多くなるから、これを公明党は嫌がる。支持母体の創価学会も嫌がるという話もありますが。
高橋)けれど、最後は総理の権限なのですよ。
飯田)やるかやらないかはいまの段階ではわからない。
高橋)言うわけがないし、聞いても言わないし、誰にもわからないですよ。いま皆、スケジュールでこうでもないああでもないって議論しているだけです。
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