大阪維新の会~都構想実現へ向け、公明党との関係をどう修復するか
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月8日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。当選した松井一郎新市長のインタビューも含め、大阪W選挙の結果について解説した。
大阪W選挙維新が勝利
4月7日に投票が行われた大阪府知事選挙と大阪市長選挙はともに、いわゆる大阪都構想の推進を訴えた大阪維新の会の候補が制した。府知事選に勝った吉村洋文前大阪市長と、市長選に勝った松井一郎前大阪府知事が立場を入れ替えて引き続き府政と市政をリードすることになる。
飯田)知事選では自民党と公明大阪府本部が推した元副知事の小西禎一さん。そして市長選では自民党と公明大阪府本部が推した、元大阪市議会議員の柳本顕さんがそれぞれ立候補していましたが、8時の段階で各者当選確実が打たれるということでありました。
須田)圧勝ですよね。事前の情勢調査、直前の情勢調査では接戦ではないかとも言われていたので、ここまで得票数が開くのは異例でしたね。驚きました。
飯田)昨日、4月7日、当確が出た後、須田慎一郎さんが松井一郎新市長にインタビューを行っております。その模様をお聴きいただきます。
訴えていることが有権者に伝わった結果
須田)どうですか。瞬殺でしたね。
松井)結果はそうですけれども、出るまではギリギリかなと思っていましたよ。
須田)当初、かなり厳しい選挙だと思っていましたが、すぐ結果が出た。しかも相当な票数がついた。その勝ち方についてはどう思っています?
松井)伝わったということでしょうね。訴えていることが、有権者に。
須田)当選したからこそ、こういう質問ができるのですが、辞職されて選挙に踏み切ったそれまでの水面下での公明党とのやり取りを見ていると、どうですか? 本当はクロス選挙、W選挙をやりたくなかったのではないでしょうか?
松井)自分のことだけ思っていたら、こんなに厳しいものをやりたい人がいますか? もうしょうがないですよ、向こうに追い詰められたのだから。でもあそこで日和って、長い物に巻かれて誤魔化したら自分の人生、最後に後悔するではないですか。
飯田)松井さんの表情をご覧になっていかがでしたか?
須田)「ほっとした」というところはあるのでしょうが、当選を受けて、4年間の任期のなかで都構想を実現して行かなければならないという重責には、かなりプレッシャーを感じたのではないかと思います。
維新が公明党との関係をどう修復するか
飯田)この4年間でどうなって行くのかという辺り、府議会選挙では維新過半数。市会の方は第1党を維持したのですが、過半数まであと2つ足らないというところ。この辺は今後どう作用されますか?
須田)都構想が実現するためには、最終的に住民投票で過半数を得る。その前に法定協議会で了承了解を得て、その上で府議会市議会で了承了解、つまり過半数が必要になります。しかし維新の会だけでは、市議会の過半数を抑えていませんから、どこかの政党との協力が必要になる。その辺を意識して、公明党との関係の修復をこれからどうやって行くのかが、大きな注目ポイントだと思います。
飯田)共同の記者会見のなかで、公明や反対していた党とのやり取りをどうするのかと聞かれたときに、「ボールは向こうにある」と話されていましたよね。
一枚岩ではない公明党大阪府連~都構想賛成派がどう出るか
須田)実を言うと、これは昨日の会見でも出ていないし、マスコミでは出て来ないのですが、公明党の大阪府連も一枚岩ではないのですよ。都構想に対して理解を示しているグループもあるのですが、公明党のなかでそのグループが負けてしまって、その結果、反対に走ったわけです。それが今後どう作用して来るのかが重要となります。
飯田)なるほど。今回、大阪知事選や市長選に関して公明党はとても力を入れてやったのですが、結果として府知事選は100万票の差がついてしまった。これを考えると公明のなかの地殻変動みたいなものが起こって、都構想をやっても良いのではないか、あるいは住民投票をやっても良いのではないかというグループが、この先出て来る可能性だってあるわけですよね。
須田)そうですね。特に大阪は補欠選挙を控えていますし、夏の参議院選挙。そして遠くない将来やって来る衆議院選挙。公明党は維新との協力体制でこれまで国政選挙を戦って来ています。維新は「国政は国政、地方議会は地方議会」と分けています。公明党もそのように分けていますが、ピシッと分けて考えることはできないと思います。そこはやはり連動していますから。
飯田)選挙実務をやるのは地方議員だったり、その組織だったりしますものね。国政選挙であっても。
須田)その国政選挙をにらんだときに、都構想の議論、協議の進め方も、大きな影を落として来るのだろうと思いますけれどね。
飯田)維新としては官邸とのつながりもあるではないですか。そのパイプもこの先維持されるということですよね?
須田)そうですね。今回、官邸は前面に出ませんでしたから。自民党の二階さんが出て来ただけで、官邸としては維新カードを手放したわけではありませんからね。今後ここのパイプが復活するのだろうと思います。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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