米大統領選~トランプ大統領の再選は防げないか
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月17日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。ビル・デブラシオ ニューヨーク市長が大統領選に立候補を表明した報道について解説した。
NYのビル・デブラシオ市長がアメリカ大統領選に立候補を表明
2020年のアメリカ大統領選挙に向けて、民主党の有力な政治家であるニューヨークのビル・デブラシオ市長が立候補を表明した。民主党の候補者指名争いに名乗りを上げたのはこれで23人となっている。デブラシオさんは現在58歳、ニューヨーク市長選挙のときに姿を見せた奥様はアフリカ系アメリカ人の黒人の女性。デブラシオさんはヒラリー・クリントンさんの上院議員1期目、2000年の選挙参謀やニューヨーク市長に継ぐナンバー2のポスト、市政監督官を経て2013年ニューヨーク市長に当選した。現在2期目で就学前の教育の拡充や最低賃金の引き上げなどに取り組み、トランプ政権の不法移民対策に強く反発している。
飯田)民主党の候補者指名争い、23人というのはすごいですね。
宮家)少し異常な状況ですよ。彼らからすれば、あの市長でも議員でも何でもなかったトランプさんだって大統領になれるのだから、私でもやれるという人が23人もいるわけだと。これは大問題でしょう。前も申し上げたことなのですけれど、アメリカの大統領選挙では、基本的に民主党は1つではないのですよ。民主党は50個あるのです。共和党も50個ある。それは各州に独立した政党があるから、下手したら名前も違います。
大統領選挙~絞られない民主党候補者
飯田)名前も違うのですか?
宮家)微妙に違います。だから1党が50州に支部を持つというよりも、一昔前は4年に1度、大統領選挙のために50の民主党と50の共和党が競い合って、50個がどうやって合体するか、それを競うのがアメリカの大統領選挙でした。いまでも私はそう思っています。しかし共和党はトランプさんという人がいて、トランプ流ソフトウェアだからプログラミングが狂っているところがあるのだけれども、一応は50の共和党が合体しているのです。そこで民主党側はどうかと言うと、後1年少しで選挙だから、そろそろ絞られて来ないといけないのだけれど、今でも23人も出ている訳ですからバラバラではないですか。本当に合体できるのかと。ニューヨーク市長は立派かもしれないけれど、そんなに簡単に大統領選挙で勝てるものではありません。全国に支持が、もしくは組織がなくてはいけないのです。しかし民主党は右から左までいるので。いちばん有力だと言われているのは前の副大統領のバイデンさんなのだけれど、バイデンさんもいいお年だし。
飯田)もうかなりご高齢だと言われていますよね。
宮家)サンダースさんはもっと上でしょう。この2人が争っているのだったら、とてもではないけれど合体などできませんよ。僕はいまの状況を見ていると、トランプさんはバイデンさんが出て来ることをわかっていて、必ず叩きに来ると思いますね。
飯田)もう既にツイッターでやっています。
トランプ大統領に2期目の可能性
宮家)彼がいちばん強敵だから。しかし私が心配しているのは、民主党がバラバラになってしまっていて、トランプさんの2期目の可能性が出てくることだと思います。こんなことをやっていていいのかという気はしますけれど、これがいまのアメリカの政治の実態です。
飯田)民主党のなかを制するには極端な、ヒラリー系の意見を言わなくてはいけないのですけれど。
宮家)特に予備選のときには、極端な、偏った意見を持った人たちが政治的には活動が活発ですから、候補者はある程度左に寄って行かないと票が出ない。逆に穏健な中道の人たちは静かにしているから、残念ながらなかなかバイデンさんのようなまともな人が出にくくなっているのは事実だと思います。これは昔からそうですけれど。
飯田)そうすると別のテーマとして、マイノリティであるとか、そういう方が強い。
宮家)それはそれで大切なテーマだとは思うのだけれども、大統領選挙を勝たなくてはいけないのはまた別の話ですよね。やはり真ん中をしっかり押さえられないと選挙に勝つのはなかなか難しいと思います。
飯田)23人をこれからどう絞って行くのか。
宮家)本当に絞られるか、心配ですよ。
飯田)絞られない可能性もある。
宮家)そうしたら分裂です。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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