米の禁輸~90日間の猶予でファーウェイができること

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月22日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。米のファーウェイへの輸出禁止措置に関する報道について解説した。

米の禁輸~90日間の猶予でファーウェイができること

中国企業ファーウェイの看板が掲示され、内装の準備が進むCES会場=2019年1月7日、米ラスベガス 写真提供:産経新聞社

トランプ政権のファーウェイへの輸出禁止措置、取引停止への拡大

アメリカのトランプ政権がファーウェイに発動した輸出禁止措置を受け、ファーウェイとの取引を停止する動きがアメリカ企業に広がっている。アメリカ商務省は通信ネットワークの保守などに限って90日間の猶予措置を発表したが、その影響は今後も広がって行きそうだ。

飯田)ファーウェイのCEOが日本メディアのインタビューに、「これは想定内で問題はない」と言っていたりしますが。相当影響があるわけですよね。

高橋)スマートフォンやタブレットは、機械とハードとソフトウェアで成り立っています。ソフトウェアは2種類あって、OSという機械全体を動かすものと、その上にアプリケーションを乗せますよね。OSが無いとアプリケーションが乗らないのですよ。そのOSがAndroidなのです。Androidが無ければ単なるゴミのような機械です。OSが無かったら動きません。

飯田)素人には動かすことができないですよね。

高橋)ハードウェアとの関係で、他のOSを入れるのは難しいです。OSを作ることは可能ではありますが、Androidはオープンソースというもので、真似たものは作れますが大変です。用意してあればAndroidと互換のある他のOSを乗せると発表しますよ。作るのも容易ではないです。いまOSはAppleのiOSとWindows、Symbianなど何種類かありますが、世界で5~6種類しかないです。Android互換のOSを自前で作るのは難しく、Androidを乗せるのですがアップデートができなくなり、モバイルのタブレットなどとしては使いものになりません。

米の禁輸~90日間の猶予でファーウェイができること

ファーウェイのショップ=2018年12月9日、中国・深圳(共同) 写真提供:共同通信社

ファーウェイが自前のOSを作ることは難しい

飯田)「ファーウェイは秋ごろまでに自前のOSを導入する」みたいなことも言っているようですが。

高橋)互換のあるOSを用意していればね。90日の猶予期間にやると言いますよね。パソコンでしたらLinuxがあるので、時間をかけてやればできないこともないです。でも最初の方は使いものにならないですよ。

飯田)そうすると、組み立ての部分は部品をかき集めてできるかもしれないけれど、その先の使い道は?

高橋)部品をかき集めても、OSが無かったらただの箱ですからね。OSはすべてアメリカ系が取っています。日本がOSを作ろうとしたらバッシングを受けたこともありました。OSが肝ですよ、ソフトウェアは難しいので。アメリカは「そこまで言って来たな」という感じですよね。

飯田)これはアメリカにとって切り札?

高橋)そうですね。OSが無かったらタブレットなど通信機器は意味が無い。動かすことすらできない状況ですね。

飯田)いろいろな手を打って来ていると思うのが、ドローンも商用のものは中国製が多い。「気をつけろよ」という通達で、要するに「あまり買うなよ」「機密が漏れるぞ」とアメリカ国民に対して言っているようです。

高橋)そうですね。アメリカは、ハードは弱いがソフトウェアは強いのですよね。ハードとソフトウェアがマッチして初めて製品です。中国政府はWindowsを使わずにLinuxを使っているのですよ、自分で改良できるから。パソコンはけっこうできますが、スマートフォンは難しいですよね。

飯田)アメリカはスタンダードをとるというか、得意ですよね。

高橋)日本が独自のOSを作ろうと思ったことがあったのですが、潰されてしまいましたね。

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