日経BP総研・品田英雄「ヒットメーカーはたくさん失敗している」
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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、日経BP総研・上席研究員の品田英雄が出演。ヒットの仕掛け人について語った。
黒木)今週のゲストは日経BP総研・上席研究員の品田英雄さんです。数多くの流行やヒットを生み出す人たちを取材されて来た品田さんですが、ヒットの仕掛け人たちに共通していることはありますか?
品田)売れるか売れないかというところではなく、自分の心がときめくかどうかを大切にして判断しているような気がします。
黒木)仕掛け人たちが。
品田)秋元康さんが同世代ですけれども、AKBが始まるときはみんな「もうアイドルの時代ではないよね」と言っていたのです。でも秋元さんは「男の子はアイドルを見に行きたくて、握手したくて集まるのだ」と言って、採算無視して始めたのです。
我々はついヒットのところだけを見てしまいますが、いろいろなことに興味を持って手を出して失敗して。でもそれほど反省しないで、次々にやってしまう。ヒットメーカーはたくさん失敗しているのですよ。メンタルが強いのかもしれないですね。
黒木)そうですね。
品田)失敗しても失敗したことが楽しいくらいに思ってしまう人たちが…。
黒木)ヒットを生み出す。
品田)多いような気がします。
黒木)本当にそれだとしたら、メンタルが強いですね。
品田)女優さんで言うと、舞台は毎日違っていて、上手く行ったときもあるだろうけれど、そうでないときもあるわけですよね?
黒木)もう毎回ですね。舞台だけではなくて。
品田)上手く行かなかったときはどうしているのですか?
黒木)毎日反省します。
品田)失敗したことがそれほど特別なことではないという方が多いです。失敗してもまた新しい1日は来るので、またそこから新しいことができると言います。明日があるのはすごくいいことです。そんな風に思えると強くなるし、だからこそヒットに辿り着くのではないでしょうか。
黒木)ヒットを生み出すのは、仕掛け人だけではない何かが住んでいるような気がするのですが。ヒットの神様が。
品田)やはり変わった人が多いです。もちろん、自分が楽しいものを見つけるということが基本にはあるのですが、それを強引に「これがいいんだぜ」と押し付けたいくらいのパワーがあります。
黒木)情熱?
品田)情熱はあると思います。冷静に「これとこれはこうやると、こんな仕掛けができて売れるからやろうよ」という人は、諦めるのも早いのですよね。諦めないで続けるという、あのしつこさを持っていると、人生が少し変わるのではないでしょうか。
品田英雄(しなだ・ひでお)/日経BP総研・上席研究員■1957年生まれ。
■学習院大学卒業後、ラジオ関東(現ラジオ日本)に入社。音楽番組を担当。
■1987年に日経BP社に入社。記者としてエンタテインメント産業を担当。
■1997年に「日経エンタテインメント!」を創刊、編集長に就任。
■2003年に発行人を経て、2007年に編集委員に就任。
■2013年からは日経BP総研・上席研究員を兼任。
若者の文化や世の中の流行を分析するエンタテインメントの専門家として活躍。
■著書に「ヒットを読む」(日経文庫)がある。
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