参院選・野党5党~ポイントは複数区での調整ができるか
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月30日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。夏の参院選での野党共闘の課題について解説した。
夏の参院選に向け野党5党派が30の1人区で候補者を一本化
立憲民主党など野党5党派の党首らが5月29日午後、国会内で会談し夏の参院選に向け1人区となる19の選挙区で一本化することで合意した。これで既に決定している11の選挙区を含め、一本化は全部で30の選挙区となる。
立憲民主党・枝野代表)宮崎県と鹿児島県については最後の調整が残っていますが、この調整を急ぎ決着をつけたいということでも合意をしたところでございます。安倍政権を倒すということに向けて、候補者を一本化してしっかりと戦ってまいりたいと思っています。
飯田)自民公明は基本政策が一致していないではないか、選挙対策と受け取られるのではないかという反応を示しています。何とか5月中に決着ということですか?
鈴木)そうですね。私は前から1人区は最後になると申し上げて来ました。
飯田)おっしゃっていましたね。
1人区は何とかなる~ポイントは複数区での調整ができるかどうか
鈴木)水面下で動いていた方向性としては当たり前のことなのですが、対外的に有権者に向けて「1つになりました。これで対決構造を作り、野党はやって行きます」と示す意味では、ようやくという感じでしょうね。取材をしていて、1人区はこういうことができると思っていましたが、問題は複数区、2人区以上でどこまで共闘できるかです。複数区でも選挙協力できているところが少し出て来ています。もちろんだめなところもあるのですが、ここがポイントです。乱立すると潰し合うことになってしまう。この部分の調整をいま行っています。「複数区の調整ができるか」がポイントになって来ると思います。
飯田)静岡ですか、少し調整が効いて来たのは。
鈴木)いや、静岡は徳川さんが出ると言っています。
飯田)徳川宗家19代目の当主の方ですね。
鈴木)静岡は現職に国民民主党がいるので、本当は立憲を出さない方が確実に1議席を野党で獲れるのですが、そこに立憲を出して行くところがポイントです。これも実は行ったり来たりしていて、「上手く行きそうだ、やはり立憲は出しそうだ、上手く行きそうだ」となって、結局こういうことになったのです。ただ、ここは野党で1議席獲れるだろうとなりますが。
飯田)与野党分け合いの選挙区ではありますよね。
鈴木)トータルではそういう計算になるのでしょう。ただ、やはり立憲と国民の間でしこりが残る。静岡はなかなか難しい選挙区になったなという感じはします。
飯田)野党の幹部に聞くと、一本化できたところでも勝負はそう簡単ではないと。
鈴木)そうなのですよ。複数区以上、それと比例ですよね。ここで統一名簿のようなものはできる。これは小沢一郎さんがずっと言っていて、枝野さんはなかなか難しいと言っていますけれども、実は「エイヤ」と行えばすぐできてしまう。すぐできると言うと語弊がありますが、この辺の話し合いも水面下で続いています。
どちらかと言うと1人区のことを早く済ませて、難しい複数区や統一名簿の話に行くのがスケジュールだと思うので、これからネジを巻いて行えるかどうかが重要だと思います。
もしダブル選挙ということがあれば、こちらも協力して行かなければならない。ダブル選挙、総選挙となるとやらざるを得ないのですよ。喧嘩している余裕がないというか、もう言っていられないのです。必然的にやらざるを得ない環境になると思うのですが、作業としては膨大な作業になりますから。
飯田)選挙区として、数が半端ではないですものね。
鈴木)そうですね。ですので、早くこの1人区を済ませる。次のステップの方がむしろポイントでしょうね。
野党共闘~地域によって異なる
飯田)それぞれ支援組織が異なるなかで、他の党が出て来たときに「うちは関係ないものね」となるか、「よし、一緒にやろう」となるかで大分違うという話を聞きました。
鈴木)正直に言うと、取材して全国を回っていますが、地域差があります。上手く行っているところもありますが、絶対だめなところもあります。実際に1人区でも、例えば共産党の候補で行くなら、連合は降りるところもある。
飯田)そういうところもあるらしいですね。
鈴木)恨みつらみのようなものがけっこうあるのです。希望の党でぐちゃぐちゃになった「あのときに」というようなね。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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