エルトン・ジョンのメロディが世界中で愛される理由が、いまここに
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【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第676回】
さぁ、開演のベルが鳴りました。支配人の八雲ふみねです。シネマアナリストの八雲ふみねが観ると誰かにしゃベりたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回は、8月23日公開の『ロケットマン』を掘り起こします。
生けるレジェンド、エルトン・ジョンの半生を名曲に乗せて描く
音楽界の最高峰グラミー賞に5度輝き、「ローリングストーン誌が選ぶ歴史上最も偉大なアーティスト100組」に選ばれるなど、イギリスを代表するミュージシャン、エルトン・ジョン。
「ユア・ソング(僕の歌は君の歌)」や「ロケットマン」など数々のヒット曲に乗せたミュージカルシーンを交えて、彼の知られざる半生を描いたのが、映画『ロケットマン』。エルトン・ジョン本人も製作総指揮に名を連ねる自伝的作品が、ついに公開となりました。
イギリス郊外の町、ピナー。厳格な父、そして子供に無関心な母親。喧嘩が絶えない両親の間で、孤独を感じながら育った少年、レジナルド・ドワイト。彼が唯一、神から祝福されていたのは、音楽の才能だった。
天才的な音楽センスを見出されたレジーは、国立音楽院に入学。やがてロックに傾倒し、ミュージシャンになることを決意する。自ら「エルトン・ジョン」と名乗り音楽活動を始めた彼は、生涯の友となる作詞家バーニー・トーピンとの運命的な出会いをきっかけに、一気にスターダムを駆け上がって行く。
楽曲の完成度の高さと観客を圧倒するパフォーマンスで、全世界にその名を轟かせて行くエルトン・ジョン。しかし彼の心は、満たされない少年時代のままだった…。
天才ミュージシャン、エルトン・ジョンに扮したのは、『キングスマン』シリーズで知られるイギリスの若手俳優タロン・エガートン。エルトン本人と接することで役を掴んで行ったというエガートンは、体型や髪型、メガネに衣装と、エルトンのビジュアルを完璧に再現。しかし意外にも、エルトンからのリクエストは「自分のマネはしないでほしい」ということだったとか。
楽曲に込められた感情と向き合い、その感情をムキ出しに表現したタロン・エガートンによる吹替なしの歌唱シーンは、エルトン・ジョンもお墨付きを与えるほど。演技だけでなく、その音楽的才能まで遺憾なく発揮しています。
メガホンを取ったのは、『ボヘミアン・ラプソディ』の最終監督を務めたデクスター・フレッチャー監督。日本でも社会現象となった同作との相違点も気になるところですが、『ロケットマン』はよりミュージカル的要素が強く、ファンタジックな作風に仕上がっている印象を受けます。
エルトン・ジョンが何故、世界中で愛されるミュージシャンとなったのか。その答えは、この映画のなかに…。
『ロケットマン』
2019年8月23日(金)から全国ロードショー
監督:デクスター・フレッチャー
製作総指揮:エルトン・ジョン
プロデューサー:マシュー・ボーン、 デビッド・ファーニッシュ、アダム・ボーリング、デビッド・リード
出演:タロン・エガートン、ジェイミー・ベル、リチャード・マッデン、ブライス・ダラス・ハワード
(C)2018 Paramount Pictures. All rights reserved.
公式サイト https://rocketman.jp/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/