フレディ・マーキュリーの伝説がついに蘇った!
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【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第513回】
さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回は、11月9日に公開されたばかりの『ボヘミアン・ラプソディ』を掘り起こします。
この感動は鳥肌モノ! クイーンの名曲が織りなすミュージック・エンターテインメント
世界的人気ロックバンド<クイーン>のボーカルで、史上最高のエンターテイナーと讃えられたフレディ・マーキュリーの華やかな成功と波乱万丈の人生を描いた『ボヘミアン・ラプソディ』が、ついに日本でも公開されました。45歳という若さでこの世を去った“天才”の伝記映画であると同時に、ミュージック・エンターテインメントとしても超一級。観る者の心を熱く震わせる感動作です。
ブライアン・シンガー監督の途中降板をはじめ、完成までに紆余曲折あった本作。その理由として挙げられているのが、監督と制作陣、そしてバンドとの間で、物語のコンセプトや作品の着地点など“クリエイティブの相違”について。確かに、偉大なロックバンドの軌跡をわずか2時間でまとめ上げることがいかに至難の技かということは、誰もが想像がつくことでしょう。
そしてもうひとつ難航を極めたのが、フレディ・マーキュリーを誰が演じるかということ。その候補としてサシャ・バロン・コーエンからベン・ウィショー、果てはダニエル・ラドクリフまで名前があがるほどの迷走ぶりを見せたキャスティングで、最終的にフレディ役を射止めたのは、エジプト系アメリカ人のラミ・マレック。
偉大なボーカリストを演じるにあたって、マレックはフレディのあらゆる映像や音声資料を研究し、役作りに1年を要したとか。周囲からのプレッシャーを自らの力に変えて、唯一無二のカリスマ、フレディ・マーキュリーを見事に演じきりました。
特筆すべきは、クイーンのメンバーであるブライアン・メイとロジャー・テイラーが音楽総指揮を務めていること。劇中では、フレディ自身の歌声を使用した28もの不朽の名曲が鮮やかに蘇ります。
映画タイトルにもなっている『ボヘミアン・ラプソディ』や『ウィ・ウィル・ロック・ユー』『伝説のチャンピオン』など、イントロを聴いただけで心臓をギュッと掴まれたような衝撃が走ること間違いなし。ライブ会場の一員となって、思わず一緒に口ずさんでしまうことでしょう。
クイーンの音楽を全身で味わう映画体験。音楽映画の秀作が多く公開されている2018年ですが、なかでも本作はピカイチです。
ボヘミアン・ラプソディ
2018年11月9日(金)から全国ロードショー
監督:ブライアン・シンガー
脚本・原案:アンソニー・マクカーテン
音楽総指揮:ブライアン・メイ、ロジャー・テイラー
出演:ラミ・マレック、ルーシー・ボイントン、グウィリム・リー、ベン・ハーディー、ジョセフ・マッゼロ、エイダン・ギレン、アレン・リーチ、トム・ホランダー、マイク・マイヤーズ、アーロン・マカスカー ほか
©2018 Twentieth Century Fox
公式サイト http://www.foxmovies-jp.com/bohemianrhapsody/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/