“忖度”しすぎも困りモノ?!

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【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第505回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、10月27日から公開の『嘘はフィクサーのはじまり』を掘り起こします。


“世界一セクシーな男”リチャード・ギアが、“世界一のうそつき男”を怪演!


世界金融の中心地、ニューヨーク。その一端を牛耳るユダヤ人上流社会に食い込もうと、自称フィクサーと称するノーマン・オッペンハイマーは、小さな嘘を積み重ねては人脈を広げてきた。

そんなある日、過去にノーマンが偶然を装って接近を図り、高価な革靴をプレゼントすることに成功した、イスラエルのカリスマ政治家エシェルが首相に就任。首相となったエシェルとの再会にこぎつけたノーマンは、“ニューヨークのユダヤ人名誉大使”という首相のお墨付きを利用して、超大物たちの間で暗躍し始める。

しかし過度な“忖度”はさまざまな混乱を巻き起こし、国際紛争を起こしかねない事態を招いてしまう…。


『愛と青春の旅だち』や『プリティ・ウーマン』など、ヒット作は数知れず。“この世でもっともセクシーな男性”と評された2枚目ハリウッド・スター、リチャード・ギアが主演する快心作が日本にやって来ました。


彼が演じるのは、厄介ゴトを引き受けまくる自称フィクサー、ノーマン・オッペンハイマー。フィクサーとは本来、「政治力、資金、人脈などを使って、事件をもみ消したり裏取引したりする仲介者、調停者」というような意味がありますが、本作に登場するノーマンは、実は強力なコネなど持ち合わせていない人物。細〜いツテを頼りに嘘とハッタリを繰り返す、“フィクサーもどき”と言った方がピッタリくるかもしれません。

そんな“フィクサーもどき”なノーマンを演じるために、ギアは撮影に入る1年前から役作りを研究。歩き方や表情、耳の動かし方にいたるまで徹底的な探求を重ね、どこか憎めない飄々としたキャラクターを作り上げました。ニューヨークの街をひょっこりひょこひょこと歩く姿には、愛らしささえ覚えさせられます。


10月25日から11月3日まで開催中の「第31回東京国際映画祭」でも「イスラエル映画の現在 2018」と題し、特集上映が実施されるイスラエル映画。複雑で多様なイスラエルという国を映し出すイスラエル映画は、この数十年間で世界の映画界の中心的プレーヤーの役割を担っており、注目を集めています。アメリカにおけるユダヤ人社会の知られざる仕組みを描いたイスラエル・アメリカ合作の本作も、まさに時流に乗った1作と言えるでしょう。


嘘はフィクサーのはじまり
2018年10月27日からシネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開
監督・脚本:ヨセフ・シダー
撮影:ヤロン・シャーフ 編集:ブライアン・A・ケイツ
音楽:三宅純
出演:リチャード・ギア、リオル・アシュケナージ、マイケル・シーン、スティーヴ・ブシェミ、シャルロット・ゲンズブール、ダン・スティーヴンス、ハンク・アザリア ほか
©2017 Oppenheimer Strategies, LLC. All Rights Reserved.
公式サイト http://www.hark3.com/fixer/

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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