財政検証が発表~今後の年金にも大きな変動はなし

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月28日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。年金問題について解説した。

財政検証が発表~今後の年金にも大きな変動はなし

厚生労働省が公的年金の財政検証を公表~50%は維持

厚生労働省は27日、5年に一度公的年金の財政状況をチェックする財政検証を公表した。公表された結果では、今後経済が順調に成長した場合には目減りはするものの、所得代替率は50%を維持できるとしているが、マイナス成長の場合には50%を下回る恐れがあるとしている。

飯田)前回は6月4日に出ていたということもあって、選挙後に先送りしたのではないかという与党への批判も上がっています。きょう28日は、東京版の朝刊6紙すべてがトップに掲載しています。

高橋)全部一面トップということは、資料を事前に流していたということですよね。

飯田)なるほど、十分に準備をして貰って、ということですね。

高橋)6月に出そうと思えば出せないことはなかったと思うのですけれどね。無用な混乱というのが役人の言い方でしょうし、万が一間違っていたら大変なのですよ。5年に一度なので、それほど焦るような話でもないから、ゆっくりやっているのだと思います。結果だけ見て新聞各紙は、ほんの少しの違いを細かく書いてありますが、計算上で言えば、5年前とまったく一緒です。「悪いから先延ばしにしたのだろう」と言われるけれど、そうではありません。

飯田)穿った見方で、かなり悪い数字が出るのではないかということも言われていました。

財政検証が発表~今後の年金にも大きな変動はなし

財政検証が大きく変動することはない

高橋)この財政検証というものは、予測可能なのです。5年間で人口が大きく増減することはなく、ほとんど同じです。経済環境の話の前提を変えると少し変わりますが、ここから先の経済環境なんて誰にもわかりません。はっきり言って、計算はまったく一緒です。出してもよかったのかもしれませんが、万が一間違っていたらまずいとか、そういう理由があったのだと思います。悪かったから先延ばしにしたのではないと思います。

飯田)あの当時は年金2000万円の金融庁の件があったりしたので、そこへ更にというわけにはいかないというのもあったのかなと思います。

財政検証が発表~今後の年金にも大きな変動はなし

平均寿命に合わせて年金支給時期が決まるということ

高橋)5年間の計算で、そんなものはまずあり得ませんよ。年金は難しく言うけれども簡単で、20歳から60歳ちょっとまで払って、60歳ちょっとから80歳まで貰うという話なのですよ。計算すると、だいたい所得代替率は5割くらいになるのだけれど、いままでは高かったものが少し下がって行くだけの話なのです。下がって行くペースもだいたいわかっていて、今回だと30年と28年で2年違うではないかという話ですが、ほとんど一緒ですよ。これは誤差の話です。年金は単純な仕組みで、半分が死ぬまで半分は貰えないという話です。これが少ないと言ったって、半分が死ぬまで待っていて、その人の保険料を半分の人が貰うという、それだけの話ですから。

飯田)途中で病気や、不慮の事故で亡くなる人の統計で考えると…。

高橋)どこかの年齢までに、半分は必ず死ぬのですよ。どこかの年齢の半分は必ず生きている。そうすると、死んだ人の保険料を残りの半分の人に回す、それが年金なのですよ。

飯田)その均衡点が、年金受給開始の年齢辺りということですね。

高橋)長くなるのは当たり前で、長くならないと半分死ぬ人が足りないでしょう。

飯田)それは、これだけ寿命が延びているからですね。

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