京浜急行~今後の事故再発防止には高架化が急務
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月9日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。京浜急行の衝突脱線事故について解説した。
踏切事故の京急、運行再開~今後の焦点は
横浜市神奈川区の京浜急行線の踏切で8両編成の快速特急列車がトラックと衝突、脱線した事故で、京急電鉄は7日の午後1時過ぎ、京急川崎~横浜駅間の上下線で運転を再開した。今回の事故について、鉄道事情に詳しい須田慎一郎氏が改めて問題点と、今後の解明すべき点について指摘する。
飯田)これは驚いた事故でしたね。5日のお昼、12時前くらいでした。
須田)このような事故に関して言うと、当事者である鉄道会社、あるいは監督当局、行政当局含めてやるべき作業は決まっています。これには3ステップありまして、まず第1ステップとしては、何が起こったのか、どこに問題があったのかをすべて明らかにして情報開示をして行く作業です。第2ステップは、責任の所在を明確にして、確実に責任を負わせるということ。3番目のステップがいちばん大事ですが、再発防止策を講じるということです。トラックがなぜあのようなルートを通って走行したのかというところばかり注目されていますが、再発防止策ということを考えると、踏切のなかに障害物が入って来たのに、どうして止まることができなかったのか。仕組み上、問題がなかったのかということを見極めた上で、再発防止策が必要だと思います。
飯田)踏切に障害物があると、それに反応して信号が、というものはあったのですが、あの区間には踏切がいくつもあります。どの踏切だったのかということと、その障害物の信号が隣の子安駅にあるものですから、駅を通過するときにいろいろなものを見なければいけないのは、安全上どうなのかという問題もあります。
安全策を考えると高架化が必要
須田)そうなると、最終的には高架化が必要だということになるのだと思います。鉄道は公共交通機関であり、社会インフラなのだから、その負担を鉄道会社1社に負わせるということには疑問を感じます。鉄道を敷設したときは複雑な状況ではなかったのだろうと思うし、交通もこんなにたくさん自動車が往来してはいなかった。そうすると、その状況が変わって来た段階で、国を含めて高架化を進めるべきではないかと思います。
高架化が進んでいる阪神、阪急
飯田)確かに、京浜急行と同じような狭い線路に高密度で電車を走らせている、例えば阪神電車にも同じようなところがあるのですよ。阪神電車に関しては、阪神大震災の復興でお金が入ったこともあるでしょうが、ほとんど高架になっています。
須田)阪神も、阪急もそうですね。安全性だけではなくてスムーズな運行を考えると、早急に高架化を進めて行かないと……。いくら再発防止策で信号や運転士のトレーニングをと言ってみたところで、このような問題はなくならないのだと思います。
飯田)小田急線も複線化で高架にしたり、地下に下げたりしましたが、あれも反対運動があって時間がかかりました。
須田)相当な日数がかかりますからね。それも含めて、鉄道があるなかでの道路の整備ということも考えて行くべきだと思います。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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