米・イランの仲介外交~安倍総理のとるべき立ち位置
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月25日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。安倍総理がイランのロウハニ大統領と会談したニュースについて解説した。
安倍総理がイランのロウハニ大統領と会談
安倍総理は24日、ニューヨークでロウハニ大統領と会談した。安倍総理はイラン側の対話姿勢の継続に期待感を示しつつ、緊張が高まる中東情勢に深刻な懸念を伝え、外交努力による解決を促したとみられる。
飯田)日本時間の25日午前0時ごろから、およそ1時間にわたって会談しました。会談は今年(2019年)6月に総理がイランに訪問して以来、今回で9回目ということになります。それに前後する形で、トランプ大統領が国連総会で演説を行い、そこでもイランについて言及しました。25日の読売新聞の1面では、「名指しで批判」という見出しになっています。
日本は有志連合には入らず、独自で守る方向へ
高橋)日本は何も言っていないでしょうが、イランについてはヨーロッパのイギリスとフランスが批判しています。その辺りが有志連合に入るか入らないかというところです。日本は有志連合に入らず、自分で守る方向に行きそうです。有志連合に入らず独自でやるのが、日本としては無難なやり方です。自衛隊独自に海上警備行動で守ればいい。ひょっとしたら、特別措置法で守ってもいいかもしれません。事実上は有志連合といろいろな連絡をとると思いますが、建前では日本は有志連合に入らず、独自でやるということです。守ってくれなければ、あんなところは通ることができません。どういう形になるかわからないから、安倍総理がイランのロウハニ大統領にその辺りの監視を聞いて、トランプ大統領に監視は入りませんなどと言うのではないでしょうか。
飯田)ロウハニ大統領側にも、いろいろなところからボールが来ています。イギリス、フランス、ドイツは24日に共同声明を出して、新たな核合意、期間が長いものをつくってそれに入ったらどうかというような話もあります。ロウハニ大統領、イラン側も制裁を解除してくれるのであれば、それもやぶさかではないと言っていて、いま応酬が続いているところです。
高橋)制裁でドルが使えずに石油が売れなかったら、大きな不利益です。石油が売れないとどうしようもないですから、妥協の余地はあるかもしれません。でも、この間の攻撃はイランなのでしょう。
飯田)サウジアラビアの石油基地への攻撃。
原油の8割がホルムズ海峡を通る日本としては何とかしなければならない
高橋)あれは玉虫色で進むかもしれません。でも日本としては、ホルムズ海峡は生命線ですから何とかしないといけません。
飯田)日本に来る原油のおよそ8割が、あそこを通っている。
高橋)やられて困るのは日本と中国ですよね。
飯田)最も需要の大きいところですね。
高橋)この2つの国は、独自に自国のタンカーを守るということがあっても不思議ではありません。
飯田)先ほどおっしゃった海上警備行動なのか、あるいは海上警備行動だと武器使用が厳しいから…。
高橋)特別措置法という手もある。今度、臨時国会がありますからね。出したらいいと思います。
日本は米とイランの真ん中に位置するべき
飯田)今回のことは、日本としては仲介外交ということですが、日本はいままでやったことがありますか?
高橋)ないですよ。イランとの会談は9回目ですが、日本の独自の立場がはっきりしていますよね。だからイランの攻撃なども、正面から与(くみ)せず、ある意味真ん中でちょうどいいのではないでしょうか。安倍総理の外交での手腕ですよね。
飯田)これに関して日本としては、旗幟鮮明にしないところが国益になることですか?
高橋)有志連合に入ってはいけないでしょう。ちょうど真ん中の位置を守るには、独自に自衛隊で守るという形をとることになるでしょうね。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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