フランス料理グランシェフ・音羽和紀~日本人2人目の「シェフトロフィー2019」を受賞できた理由

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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、フランス料理店「オトワレストラン」シェフの音羽和紀が出演。自身がホテル・レストランの世界組織「ルレ・エ・シャトー」の「シェフトロフィー2019」を受賞した経緯について語った。

柴田書店『この地でフランス料理をつくり続けていく:故郷に愛され、発信するフランス料理店。素材・人・料理』著:音羽和紀(※画像はAmazonより)

黒木)今週のゲストは栃木県宇都宮市のフランス料理店「オトワレストラン」のシェフ、音羽和紀さんです。去年(2018年)はホテル・レストランの世界組織「ルレ・エ・シャトー」から「シェフトロフィー2019」という賞を取られたということですが、日本人のシェフとしては2人目なのですか?

音羽)はい。日本の加盟施設としては、アジアで初めてです。ルレ・エ・シャトーはホテル・レストランの最もカテゴリーが高いグループで、世界で580、日本では20のホテルとレストランが加盟しています。去年6月、私のところに直接本部からメールが来ました。

黒木)そういった本部の方々が、世界を食べ歩きしていらっしゃるのですか?

音羽)何十年グループに参画していようと、今年(2019年)入った方だろうと、まったく同じ仲間なのです。厳しい仲間ということになりますが。そのなかで2019年のシェフとして選ばれましたので、大変な賞をいただきました。

黒木)授賞式はフランスで。

音羽)毎年いろいろな国でやっていますが、去年はカナダのケベックで11月にいただきに行きました。

黒木)日本人として2人目ということですが、日本にレストランを出していらっしゃるのは音羽さんだけということです。宇都宮のみなさんは誇りに思っているのではないでしょうか。

音羽)そう思っていただければありがたいですね。いろいろな方にお祝いしていただきましたけれど、ありがたいと思っています。

黒木)選ばれた理由は聞かれたのですか?

音羽)基本的には、まずフランス料理を続けていることなのですが、私がフランス人でもなかなか入れないところで何ヵ所か修行していますので、そういうこともあると思います。それと、今年で38年になりますが、地方都市でしぶとくやっていること。また、継続となると誰かが跡を継がなくてはなりませんが、幸い私は子どもが3人いて一緒に仕事していますので、そこも評価されたのかなと思います。

黒木)お子さんがみんな継いでいらっしゃいますから、安心でもありますよね。

音羽)そうですね。そうでなければ、独立したときに無理だなと最初から思っていたことなので。

黒木)宇都宮は地元なのですか?

音羽)はい。

黒木)地元でやってみようと、ご自分のなかでは決めていらっしゃったのですか? 東京ではなく。

音羽)修行に出たときは、少なくとも東京だろうと。できたら海外くらいに思っていました。そのときは修行も始まったばかりですから、大きな声では言えませんでしたが、そのようにはっきりと思っていました。僕が23歳~30歳までヨーロッパにいたなかで、27歳のときにアラン・シャペル氏のやっているレストランに行ったのですが、その店は230名くらいしか住んでいない小さな村にあったのですね。

黒木)そんな小さな村だったのですか。

音羽)ミオネというアラン・シャペル氏の村なのですが、ある休みにぶらぶらしながら村人と話したときに、アラン・シャペルのアの字もでなかったのですね。それでも、「この村はいいだろう」という言葉を僕にかけて来る。それで、「あっ」と思ったのです。アラン・シャペル氏のやっている有名なレストランがあるから、いい村だろうということではなくて、村の空気感とか、何気ない風土感だとか、そういうところも含めて地元の誇りなのだなと。そうならなければいけないだろうと思い、翌日から方向転換して、独立は田舎でやると決心しました。27歳のときです。

黒木)いいレストランがあるからいい街だということではなくて、いい人々がいて、いい自然があって環境があって、だからこそレストランが生まれるという考え方なのでしょうかね。

音羽和紀(おとわ・かずのり)/フランス料理グランシェフ

■大学卒業後、ヨーロッパに渡りドイツ・スイス・フランスのホテルやレストランで修行。
■フランス料理界の重鎮、故アラン・シャペルに日本人として初めて師事。
■帰国後の1981年、故郷・宇都宮にレストラン「オーベルジュ」を開店。2007年には「オトワレストラン」を開店。またフランス料理店のほか、レストラン・バー、デリカショップなども経営。
■洗練された芸術作品として美しく構成および提供される彼の料理は、栃木和牛、ヤシオマス、鰻、那須高原産チーズ、アジア梨など地元の旬の素材を活かしたもの。フランスの要素とバランスをとりつつ、地域の伝統に敬意を表す。
■2018年には、ホテル・レストランの世界組織「ルレ・エ・シャトー」の、1年間の活躍が最も期待される料理人に贈られる「シェフトロフィー2019」を受賞。
■豪華観光列車「四季島」にも料理を提供。
■また親と子の料理教室や高校で料理を教えるなど「子供達の食」をテーマにした活動や、地場の産物を使った料理の開発、県の農政委員を務めるなど、地域の食環境のためにも活動をしている。

ENEOSプレゼンツ あさナビ(9月24日放送分より)
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