ラグビーワールドカップ~海外の選手に声援を送ることが“最高のおもてなし”

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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、ラグビー元日本代表の伊藤剛臣が出演。ラグビーワールドカップ日本大会について語った。

ラグビーワールドカップ~海外の選手に声援を送ることが“最高のおもてなし”

【ラグビーW杯2019日本大会】練習に臨む、リーチ・マイケル、田中史朗ら=2019年9月18日 秩父宮ラグビー場 写真提供:産経新聞社

黒木)今週のゲストはラグビー元日本代表、伊藤剛臣さんです。伊藤さんは現役時代、日本代表として戦って来たわけですけれども、それはものすごいプレッシャーですか?

伊藤)試合前のロッカールームでは、恐怖とプレッシャーで逃げ出したくなりますね。

黒木)それまでに鍛えて練習しているわけでしょう。それでも逃げ出したくなる?

伊藤)ラグビーは球技でもありますが、体をぶつけ合う格闘技でもありますから、恐怖とプレッシャーは半端ではないですね。

黒木)それでも駆り立てるものは何ですか?

伊藤)グラウンドに立って君が代を聞くと、体中に世界最高峰の舞台で日本を代表して戦えるという喜びが溢れて、恐怖とプレッシャーはどこかへ行きますね。よくラグビーの試合で、みんな君が代を聞いて泣いているではないですか。海外の選手もそうですが、恐怖や喜び、いろいろな感情が噴き出て来るのです。

黒木)海外のラグビーと日本のラグビーの強いところ、弱いところはどのように分析していらっしゃいますか?

伊藤)やはりヨーロッパ、南半球がラグビーの強豪国です。その一角に日本が食い込みたいというところですね。いままで日本は決勝トーナメント進出、ベスト8には入っていません。今回はそのベスト8を狙い、キャプテンのリーチ・マイケル選手は「優勝する」と言っています。優勝を目指しています。

黒木)今回のワールドカップでは、日本はプールAですけれども、5ヵ国あるのですよね。5ヵ国でまず予選を戦って、1つのプールから1位2位が選出されるということですか?

伊藤)そうです。全20ヵ国ですよね。5チームが4グループあって、日本はロシア、アイルランド、サモア、スコットランドと同組ですが、このうちの上位2チームが決勝トーナメントに進出できます。

黒木)準々決勝ということですけれども、アイルランド、スコットランドはランクが日本より上と記載されているのですが、上の人たちと戦うわけですよね。上のランクのチームと戦うときには、また違ったプレッシャーがあるのですか?

伊藤)僕らの時代はチャレンジャーだったので、試合中も「勝ちたい」という思いで全力を尽くすのですが、いまの選手たちには地力がついて、完全にマインドがセットされていますから、「勝てる」と思っていると思います。余裕があると思います。

黒木)「勝ちたい」ではなくて、「勝てる」。

伊藤)マインドがセットされています。試合は全部で12回以上あり、20ヵ国が出ています。日本を応援するのはもちろんですが、海外の選手たちにも大きな声援を送って欲しいのです。僕が2003年のワールドカップに出て、フランスやスコットランドと当たったときに、オーストラリアの観客が我々に大きな声援を送ってくれたのですよ。本当に力になったし、感動しました。日本の皆さんにお願いしたいのは、海外の選手にもたくさん声援を送ってください。それが最高のおもてなしだと思います。

ラグビーワールドカップ~海外の選手に声援を送ることが“最高のおもてなし”

伊藤剛臣(いとう・たけおみ)/ ラグビー元日本代表

■1971年、東京都出身。
■法政大学第二高校時代、担任の勧めでラグビーを始め、高校代表に選出。法政大学3年時には大学選手権で25年ぶりに優勝をもたらした。
■卒業後、社会人ラグビーの名門・神戸製鋼に入社。1994年度の全国社会人大会、日本選手権7連覇に貢献。
■1995年、阪神淡路大震災が発生。神戸をラグビーで勇気付けたいという思いを胸に、1999年・2000年度の全国社会人大会・日本選手権にて連覇を果たす。さらに、トップリーグ開幕初年度の2003年にはチームを優勝に導いた。その後もチームの中心選手として活躍し、数々の栄冠を手にした。
■神戸製鋼の契約終了を機に、40歳で1度は引退を決意。しかし、2011年の東日本大震災をうけ、消えないラグビーへの情熱と、震災で被害を受けた釜石に神戸での思いを重ね、トライアウトを受ける。
■2012年、18年間所属した神戸製鋼から「釜石シーウェイブス」に移籍。
■ラグビー日本代表ではW杯に2大会出場。1998年のアジア大会では主将を務めるなど日本ラグビー界を長きにわたり牽引。代表キャップ62は歴代8位の記録(2018.5月当時)。
■2018年1月まで現役最年長記録選手として活躍していたが現役を引退。
■引退後は、ラグビーW杯2019日本大会のアンバサダー、また釜石シーウェイブスのアンバサダーを兼任し、ラグビーの魅力を伝えている。

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