幻の寿司ダネ「カゴカキダイ」と「メイチダイ」
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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、WEBサイト「ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑」を運営している水産アドバイザー藤原昌高が出演。これまで食べられていなかった“美味しい魚”について語った。
黒木)今週のゲストはWEBサイト「市場魚貝類図鑑」を運営されている、水産アドバイザーの藤原昌高さんです。『すし図鑑』というものも作られていますが、これまでに掲載されているお寿司が、何と1524貫。
藤原)そうですね、1500貫以上ですね。
黒木)それで、味や仕込みは違う寿司職人の方にオーダーして…。
藤原)生で単純に食べるのは美味しくないので、コブ締めにして欲しいなどと注文します。1つの魚で20種類くらい料理法を変えたこともあります。
黒木)1つのお魚で食べ方をですか? そんなにあるのですね。
藤原)はい。塩だけで締めて、柑橘類を垂らして食べたり。少し味が足りないと思ったらコブを試してみたり。コブをやって、もう1度炙ってみたり。
黒木)たしかにお寿司屋さんに行くと、「これは塩で食べた方が美味しいですよ」などと言われることがあります。
藤原)人類や日本人が初めて食べる魚を食べているので、わからなくなってしまうのですよね。
黒木)人類、日本人が初めて食べる寿司を食べていらっしゃる。「これはすごかった」というお寿司は、どんなものがありますか?
藤原)カゴカキダイというものがありまして。
黒木)魚の名前を覚えるだけでも大変ですよね。カゴカキダイ。
藤原)豊洲でこの魚を知っている若手の人たちは、必死に探しています。あまりにも握りにすると美味しいので。
黒木)カゴカキダイとあるので、鯛の仲間ですか?
藤原)鯛ではありません。世の中に1科1種類、それだけしかいない魚です。カゴカキダイ科カゴカキダイ。
黒木)いままでは焼いたりして食べていたものなのですか?
藤原)生でも美味しいと漁師さんたちは知っていたのですが、一般的に食べた状態を見せたのは、世の中で僕が最初だと思います。いまはもう豊洲などでは取り合いですよね。
黒木)どこかのお寿司屋さんに行ったらあるのでしょうか?
藤原)あると思います。
黒木)貴重な魚ですね。他にはどんなものがありますか?
藤原)メイチダイという魚がいるのですが。
黒木)メイチダイ。
藤原)これは九州では、もともと寿司ネタでした。去年(2018年)の秋、福岡で食べたのですが、15貫も食べてしまいました。
黒木)ダイという名前がつくので、また鯛の仲間なのですか?
藤原)鯛の仲間ではないのですが、よく、あやかりたいと言いますよね。タイがついているけれども鯛ではない。そういう生き物です。これもいまは取り合いですね。世の中にはこの魚を探している人がたくさんいます。
黒木)メイチダイ。
藤原)ぜひ食べてください。
黒木)これは白身ですか、赤身ですか?
藤原)白身です。
黒木)そのまま普通に生で握ってもらうものでしょうか?
藤原)福岡では、カボスを切っていただきます。
黒木)わかりました。メイチダイ、それからカゴカキダイ。どちらもタイという名前が付いていますが、鯛ではない。
藤原)そうです。あやかりたいですね。
藤原昌高(ふじわら・まさたか)/ Web図鑑「市場魚貝類図鑑」運営
■1956年、徳島県生まれ。
■子供のころから川の生き物に親しみ、水産生物のことを調べ始める。
■その後、人間と関わりのある食品(生物)を30年以上にわたって調査。
■ぼうずコンニャク株式会社を設立し、Webで「ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑」を運営するほか、水産に関わる本を多数執筆。著書に『からだにおいしい魚の便利帳』など。
■元島根県水産アドバイザー、水産庁の外部専門家。
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