ニッポン放送「ザ・フォーカス」(10月21日放送)に元外務省主任分析官・作家の佐藤優が出演。在ソ連・在ロシア日本国大使館に勤務した経歴を持ち、ロシアに精通する佐藤ならではの視点で、ロシアでのラグビーの歴史について解説した。

「ラグビーW杯日本大会」 ラグビーW杯1次リーグ 試合終了後、健闘をたたえ合う日本(赤と白のジャージー)とロシアの両フィフティーン=味の素スタジアム 2019年9月20日 写真提供=時事通信社
ラグビーワールドカップ準々決勝が10月20日行われ、日本は優勝候補の南アフリカに敗れたが、史上初の8強入りを果たした。ロシアへの勝利からスタートして、強豪国・アイルランドとスコットランドを撃破するなど勝ち進み、旋風を巻き起こした。
佐藤)初戦の日本対ロシア戦はロシアの完敗なのですが、ロシアのメディアでは選手のインタビューで日本チームをすごく讃えていました。そして「できるだけ早いペースで試合をやりたいと思った」とロシア側は言っているのですよ。しかし、日本側の知的なプレーはなかなか打ち破れないと。ここから学んで我々も強くなっていくのだ、ということを言って、非常にロシアの日本に対する行動は好意的でした。
森田)確かに、初戦でロシアに勝ったので勢いづきましたものね。
佐藤)旧ソ連でも1935年くらいにラグビーが始まっているのですが、スターリンが嫌がっていたのですよ。事実上禁止された状態にあって、ナショナルチームができたのは1972年くらいでした。
森田)70年代までナショナルチームがなかったのですか?
佐藤)そして、一般のロシア人がラグビーというスポーツについて知るようになったのは、ソ連崩壊後なのです。その意味でも、ロシアチームが来るということが東西の冷戦が終わって時間の経った結果だと思います。
森田)ラグビーは西側のスポーツだという意識だったのですね。
佐藤)だから、いまでもロシアにアメフトはないですよね。野球もまったくないです。
森田)確かにロシアで野球って聞きませんね。
佐藤)サッカーやバレーボール、バスケットボール、テニスはあるのですが、ラグビーのロシアチームが来たこと自体がけっこうな驚きだったりします。
森田)そうですか。これからこうやってワールドカップにも出るようになってくると、ロシア国内でもラグビー人気が高まる可能性がありますよね。
佐藤)十分にあると思います。
森田)ロシアには体の大きな方も多いですからね。
佐藤)がっちりとした人は多いです。
ザ・フォーカス
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