ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月11日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。ベルリンの壁が崩壊して30年となった9日に行われた記念行事について、現地のレポートを交えて解説した。
ベルリンの壁崩壊30年で記念行事
東西冷戦の象徴だったベルリンの壁が1989年に崩壊して30年となった9日、ベルリン市中心のブランデンブルク門の前では、世界的指揮者のダニエル・バレンボイム氏がベルリン国立歌劇場付属オーケストラ、シュターツカペレ・ベルリンを指揮し、ベートーベンの交響曲第5番「運命」が演奏された。人々は当時を思いながら名曲に聴き入ったとのこと。
飯田)旧冷戦が終わって30年というニュースです。現地ベルリンでも取材をしたという番組スタッフでもある、国安晶世記者と電話がつながっています。ベルリンの壁崩壊の、一連のイベントはどうでしたか?
国安)いま言われたような、ブランデンブルク門でのコンサートも行われたのですが、イベント自体は1週間行われまして、4日~10日までの7日間でした。これに惹かれて近隣のヨーロッパやアメリカ、アジアなどから多くの観光客が来ていました。場所は7ヵ所用意されており、ブランデンブルク門の他には、11月4日、崩壊の5日前に100万人の反政府デモが行われたアレキサンダー広場や、シュタージ博物館という秘密警察の拠点。それから壁がいまも残っている、イーストサイドギャラリーという場所です。大型パネルが展示されていて、その当時に何が起こったかということを、リアルな写真と言葉で綴っています。夜になりますと、そこで当時のニュースに音楽などをつけた、15分ほどの作品が繰り返し流されるようなイベントが行われ、多くの人たちが観に来ていました。
飯田)11月9日はドイツの人たちにとっては、壁の崩壊もありますけれど、それ以外にもあるのですよね?
国安)そうですね。1938年11月9日にはたいへんな意味があり、ユダヤ人に対する歴史のなかでドイツが行ったこととして、「水晶の夜」というものがあります。ユダヤ人系の商店に石を投げこんで、粉々に割れたガラスが水晶のように見えたということで、水晶の夜という名前がついた「クリスタルナハト」という事件があります。その日がたまたま11月9日であり、ベルリンの壁崩壊の歓喜だけではないという、重い意味を持つ日にもなっています。
飯田)なるほど。ではドイツの人たちは、複雑な気持ちを抱えながらこの日を迎えたということですね。現地の様子を伝えてもらいましたけれども、壁崩壊から30年が経ちますね。
須田)アメリカ議会のなかには、全米50州でそれぞれ功績のあった人物1人だけが選ばれて、銅像が立っています。そのなかにレーガン大統領の銅像があって、その台座のベースにはベルリンの壁があしらわれています。それだけベルリンの壁崩壊は、歴史的に意味があったということです。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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