国内の農業対策はどうあるべきか

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月6日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。国内の農業対策について解説した。

国内の農業対策はどうあるべきか

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

国内の農業対策

日米貿易協定の国会承認を受け、政府は5日、農業を中心とした国内対策を示す政策大綱を改訂した。牛肉やチーズの輸入拡大で影響を受ける畜産農家の支援拡充などが柱で、2019年度の補正予算でおよそ3250億円を計上する方針だ。

飯田)日米協定などの経済成長のエンジン、なお残る国民の不安を払しょくするため大綱を改訂したと、総理が述べているということです。

宮家)私は農業の専門家ではないので間違っているかもしれないのですけれども、今回の補正予算で3250億円を計上するということですよね。でも、前にTPP11をやりましたよね。本当は12だけれど、アメリカが抜けたから11です。TPP11のときも補正予算で対策したのですよね。そして、これはさっき聞いたのですけれど、それが3200億円だったというのでしょう?

国内の農業対策はどうあるべきか

TPPの年内発効が決まり、記者会見する茂木敏充経済再生担当相=2018年10月31日午前、東京都千代田区の中央合同庁舎第8号館 写真提供:産経新聞社

TPP11の3200億円を合算すると6450億円ということになるが

飯田)ピッタリですね。

宮家)ピッタリと言うか、12のうちの11で3200億円だった。あと1増えたということは、全体の1割くらいでしょう。それがまた3200億ということは、どういうことだろうと。アメリカは大国だから1国で3200億円なのか、足し算がよくわからない。僕は間違っているかもしれませんが、しかしこれはすごいことだなと思いました。

飯田)たしかにTPP12を想定した対策をして、結果11になってしまったということは、対策は打ってあると考えていい。

宮家)というか、12だったらそのときの段階で、6400億円にならないといけないということですか? 私にはちょっと、わからないですよ。

飯田)たしかに。

宮家)日本の国内政治はすごいなとしか言いようがありません。意外と足し算って難しいのだなと思いました。

飯田)今回はチーズ、牛肉などの輸入拡大ということになっていますけれども。

宮家)今回は輸出をしなくてはいけない、ということでしょうか。確かに、日本のお肉はどこも美味しくなりましたよ。しかし、私はこの足し算がどうもよくわからない。

国内の農業対策はどうあるべきか

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米に高関税を課すことがいいことなのか

飯田)この影響対策だと、補助金を増やすということになるのですけれど、農業を改革しようという人は、そういうことではなく、別の方法もあるのではないかと言います。

宮家)農業を関税で守るかどうかという議論は前からありますが、確かに、補助金は必要だと思います。農業は天候やいろいろなものに左右される、人智を超えた部分があるわけでしょう。だとすれば、ある程度の補償があるのは当たり前のことなので、農業に対する補助金が間違っているとは思いません。しかし、例えばコメについては、膨大な額の関税をかけるのがいいのか、それを止めて、むしろコメを作っている農家の生活そのものを最低限保障するような形でやる方がいいのか。どちらがいいのかと言うと、いまの世界の趨勢は後者なのです。しかし日本は、いまだに高関税で対処しているのではないかと思います。「それは少し違うよね」という話もありますよね。

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