免責特権を笠に着た議員の多さ~臨時国会閉幕
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月11日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。主要野党が合同街頭演説会で臨時国会閉会後も「桜を見る会」の疑惑追及を続ける姿勢を示したニュースについて解説した。
主要野党が街頭演説~「桜を見る会」の疑惑の追及をアピール
立憲民主党など主要野党が10日、合同で街頭演説会を行い、臨時国会閉会後も「桜を見る会」の疑惑の追及を続ける姿勢をアピールした。また内閣府に対して招待者の選び方など8項目の回答を求める文書を提出した。
飯田)9日に臨時国会が閉幕しましたが、閉会中であっても「桜を見る会」の追及を緩めないそうです。国会が終わりましたね。
高橋)国会は何をやったのでしょうか? 私の関心だと景気が落ち込んでいるから、補正予算を早くと思っていたのですが、結局できませんでした。来年(2020年)の通常国会の冒頭になりましたが、この遅れは痛いです。
飯田)増税から考えると、半年のラグがありますね。
議論されなかった補正予算とホルムズ海峡での特別措置法の問題
高橋)臨時国会でやるべきでした。外交についても、ホルムズ海峡のことでは特別措置法を出してもいいくらいでした。
飯田)調査、研究で行くとなると、武器使用はできない。
高橋)国会で大切な国政をやらずに、「桜を見る会」ばかり。今度は「ホテルを見る会」なのですかね。ホテルを見に行ってどうするのでしょうか。
飯田)そうですね。「見積書は7年間保管してあるのだから、あるではないか」ということです。
高橋)普通、5000円くらいの見積もりで明細書を出して欲しいという人はいないでしょう。
飯田)1000人の食事を用意したら、宴会場がそれだけでいっぱいになってしまいます。普通に考えたら、そんなことはしません。
高橋)だいたい半分から4分の1ですよ。
飯田)それでも余るというのがパーティーの鉄則ですよね。
高橋)2000円くらいでできてしまいますが、そんなことを議論しても意味がありません。野党はそんなに解散に持って行きたいのであれば、不信任案を出せばいいのに出さなかったですね。不思議です。
立憲民主・石垣のりこ議員、国民民主・森ゆうこ議員の発言
飯田)少し政策の部分で議論もあるかと思ったのが、消費増税について超党派で勉強会のようなもの(消費税減税研究会)をやって。高橋さんが出演なさった前回のこの番組の後ですよね。
高橋)そうですよ、私は呼ばれて真面目に行きましたが、「レイシズムとファシズムに加担するような人物」とツイッターで名指しされました。石垣のりこさんという議員です。枝野さんにも、所属議員がこういうことを言っているから「どういうことですか?」と聞いても、返事がありません。この国会で原英史さんという私の同僚が、森ゆうこ議員に誹謗中傷を受けて懲罰動議を出したのに懲罰もしないし、森ゆうこさん自身から原さんに連絡も釈明もありません。国会議員は免責特権によって、こちらが何かしようとすると懲罰にはならない。また名誉棄損で訴えようにも、免責特権があるから訴えられません。国会議員は完全に安全地帯です。
国会議員にある免責特権~普通ならば名誉棄損
飯田)原さんの件は、参考人として招致をして、ある意味「犯罪人だ」というニュアンスで答弁していました。でも国会の委員会のなかでの発言だから、それを後から問われないような免責特権があるのだという話ですね。
高橋)普通ならば、名誉棄損で訴えられますよね。
飯田)普通は犯罪人呼ばわりしたら、名誉棄損になりますよね。根拠がなければ。
高橋)森ゆうこさんは国会のなかでしか言いません。それ以外は一切言わない。免責特権で守られているのを知っています。本当に信念があるのだったら、どこでも言うでしょう。こういった犯罪行為を、国会議員が免責特権を笠に着て加担するのはいいのでしょうか? 例えば国会法や、場合によっては憲法改正、憲法51条に保障されているから改正してもらいたいです。
飯田)憲法の話にまでなるのですね。
高橋)(護憲勢力が)憲法を変えたくないのは、免責特権を守りたいからでしょう。
飯田)そもそも議場の外で問われないというのは、自由な討論を保障するためであって、特権階級化するのは趣旨と異なりますよね。
高橋)まったく違いますね。いまの憲法では保障されるように、例えば「○○の条件に反しないかぎり」などと書かれています。条件をつければ限定的だとわかりますが、いまはそうなっていません。国会議員で誹謗中傷によって亡くなった方もいます。そのときに訴えた方もいましたが、免責特権でだめでした。そこを憲法改正するのであれば、私は賛成します。でも、憲法改正もしてはいけないのでしょう?
石垣のりこ氏の発言は、免責特権にならない委員会外での発言
飯田)そうですね、憲法改正はしたくないと。ただ、委員会などで発言したものに対しては免責特権なのであって、SNSに書き込んだり、プライベートや放送に出て話すのは免責特権にならないですよね。
高橋)なりません。私がレイシストと言われたのは、委員会外なのです。その後、私が何を言ってもなしのつぶてです。だから訴えることも可能ですが、国会議員なのできちんとやっていただきたい。今回のことで、普通の人の常識を超えた免責特権で守られている国会議員が多いことがよくわかりました。
飯田)いろいろなものが出て来た臨時国会でしたが、1月からの通常国会で正常化してくれるといいですね。
高橋)まともなマクロ経済政策や、外交安全保障の話は国以外にできません。これをやらないと国民生活に影響します。
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