ニッポン放送「ザ・フォーカス」(2月12日放送)に作家・ジャーナリストの河合雅司が出演。アメリカ大統領選に向けた野党・民主党の候補者指名争いの第2戦について解説した。
アメリカ大統領選~ニューハンプシャーはサンダース氏勝利
大統領選に向けた民主党の候補者指名争いの第2戦、ニューハンプシャー州では、左派のサンダース氏が勝利したとアメリカのメディアが伝えている。
森田耕次解説委員)民主党候補者指名争いの第2戦、東部・ニューハンプシャー州の予備選では左派のサンダース上院議員(78)が勝利しました。サンダース議員は支持者を前に演説し、「ドナルド・トランプ大統領の終わりの始まりだ」と述べたということです。現時点の情勢では開票率91.3%の段階で、サンダース上院議員が25.9%を獲得。初戦のアイオワ州で勝利した中道のブティジェッジ氏が24.4%で、アメリカの主要メディアはサンダース議員勝利と報道しています。3位は中道のクロブシャー上院議員が19.8%、ウォーレン上院議員が9.3%、バイデン前副大統領が8.4%という結果になっています。河合さんはどうご覧になりますか?
河合)最初はバイデン前副大統領が優勢だと言われていましたがまさかの2連敗ということで、ある意味トランプ大統領の狙い通りの展開だと思います。これでバイデンはさん撤退の方向へ行くのだろうと思います。
森田)バイデンさん、ウォーレンさんは2月下旬にネバダの党員集会、その後は南部サウスカロライナの予備選がありますが、この辺りでも上位に行かないのであれば転落の瀬戸際ですね。
ブティジェッジ氏、一歩及ばずも健闘
河合)一方でトランプ大統領にも誤算があって、ブティジェッジ元市長の台頭はさすがに予測できなかったということですね。急進派のサンダースさん相手だと大丈夫だと思っていたのが、もしブティジェッジさんになってしまうと、若いので大統領選には違う風が吹く可能性があります。
森田)バイデンさんだと副大統領も経験しましたから、政治経験も豊富な反面新鮮味に欠けるところがあります。このブティジェッジさんは人口10万人くらいの地方都市の市長経験者で政治経験はよくわからないのですが、未来志向のイメージが支持を集めますよね。
河合)中道派ということで、サンダースさんよりは比較的現実的な政策を訴えていくわけですから。民主党の候補者選びは始まったばかりでわかりませんが、この行方には注目ですね。
森田)これからはサンダースさんがどこまで伸びてくるのか。サンダースさんは国民皆保険制度や大学の無償化を打ち出しているということで、若者には相当な支持があるのですよね。
河合)ただ、トランプさんが右寄りだとするとサンダースさんは極めて左寄りなので、(サンダースさんが民主党の大統領候補となった場合には)アメリカの分断が明確になります。
森田)あとは民主党内で分断するのか、中道と左派ということで。サンダースさんとウォーレンさんが左派同士手を組むことになれば、ブティジェッジさんとバイデンさんが中道同士で手を組むことになるのか。
バイデン氏は崖っぷち~サウスカロライナ州で勝負か
河合)その可能性はありますよね。この辺の駆け引きはここから先のことですが、まだバイデンさんも取り返せると思っているでしょう。
森田)バイデンさんは11日夜に集会を見送って、第4戦の南部サウスカロライナ州へ移動したようですよ。そっち勝負という方向で。
河合)だんだんと崖っぷちになっているということですよね。
森田)始まったばかりでもこういった動きが出てくるのが大統領選です。最初のアイオワとニューハンプシャーを落として大統領に当選したのは、クリントン元大統領だけだと言います。
河合)バイデンさんにしてみれば、嬉しくない情報ですね。
森田)相当焦りが出てきている大統領候補選の争いということです。
番組情報
錚々たるコメンテーター陣がその日に起きたニュースを解説。佐藤優、河合雅司、野村修也、山本秀也らが日替わりで登場して、当日のニュースをわかりやすく、時には激しく伝えます。
パーソナリティは、ニッポン放送報道部解説委員の森田耕次。帰宅時の情報収集にうってつけの番組です。