ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月18日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。アメリカ民主党候補者指名争いのニュースについて解説した。
米民主党候補者指名争い~新型コロナの影響でオハイオ州が予備選挙の実施延期
民主党の候補者指名争いで、3つの州で投票が開始されたが、オハイオ州は感染拡大の影響により投票の実施が見送られた。公衆衛生上の危機があるということで、知事の権限で投票の実施が延期された。
佐々木)民主党はバイデン氏かサンダース氏か。バイデン氏の方が若干優勢のようです。
飯田)世論調査では、そのような結果が出ています。
サンダース氏「いまこそ国民皆保険を導入すべき」~バイデン氏「病気で困っている人を救うのが先決」
佐々木)新型コロナウイルス対策もこの2人は違っていて、サンダース氏はとにかく国民皆保険がないのがいけない、だから国民皆保険を導入するべき時期だと訴えています。しかしバイデン氏は、医療保険は関係ない、国家の緊急事態なのだから、とりあえずいま病気で困っている人を救うのが先決であり、いまは皆保険なんて話をするべきではないと言っています。しかし現実的に国民皆保険がないせいで、コロナウイルスの重症者がたくさん出ても、誰も病院に行けなくなるという心配があります。
飯田)CTやMRIを使うことになったら、一体いくらかかるのかと。
無保険者が2000万人以上いるアメリカ
佐々木)アメリカは3億人くらい人口がいて、オバマ大統領の前までは無保険人口、健康保険に入れていない人が4000万人以上いたのです。オバマ大統領がオバマケアによって、国民皆保険に近い制度を始め、2000万人台まで減った。それでも保険に入れていない人が2000万人以上いるわけです。その人たちが一斉にコロナウイルスにかかったら、大変です。日本は国民皆保険があって素晴らしいのですけれど、気軽に病院に行けてしまう。しかもCTやMRIがものすごく普及しています。
飯田)人口当たりの数がすごいですよね。
佐々木)一時「そんな無駄なことをやっているのは日本だけだ」と批判されていたのだけれど、コロナウイルス拡大のいまとなっては、それが功を奏しています。
飯田)CTやMRIでまず所見をとって、肺に影があれば…。
佐々木)初めてPCR検査に回す。
飯田)これは中国でも確立されたセオリーで、論文にもなっているみたいですね。
佐々木)そうなのです。しかし日本ではそれによって、病院に人が集中してしまう問題が起きる。だから重症者だけをPCR検査し、隔離して病院に入れなくてはいけないのだけれど、軽症者は自宅療養してくださいという方針なのです。しかし、全員病院に来てしまう可能性がある。そのバランスをどう取るかが、なかなか難しいですね。
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