黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に『ニッポン手仕事図鑑』編集長の大牧圭吾が出演。『ニッポン手仕事図鑑』を配信することになった経緯について語った。
黒木)毎週さまざまなジャンルのプロフェッショナルにお話を伺う「あさナビ」、今週のゲストは日本の職人たちの技と思いを伝える動画メディア『ニッポン手仕事図鑑』の編集長、大牧圭吾さんです。『ニッポン手仕事図鑑』では、動画配信をしているのですか?
大牧)そうですね。日本の職人さん、一次産業や二次産業の生産者さんも含めて、動画でご紹介しています。西陣織や日本の伝統的工芸品の職人さん、おせんべいをつくられる職人さん、子供向けでいうと線香花火の職人さんなど、多種多様なジャンルの職人さんを紹介させていただいています。
黒木)この方にフォーカスしようというのは、大牧さんが決められるのですか?
大牧)そうですね。あとはカメラマンや主催者の方。他のスタッフもいるので、みんなの意見を聞きながら決めさせていただいています。
黒木)動画でしか観られないということですか?
大牧)『ニッポン手仕事図鑑』のサイトで観ていただくことができます。
黒木)何分くらいの動画ですか?
大牧)5分から20分を超えるものまで、多種多様ですね。
黒木)スタッフは何人くらいいますか?
大牧)いま映像を撮っているメンバーでは、10名います。
黒木)けっこういらっしゃるのですね。
大牧)僕らの会社の社員と、フリーランスで『ニッポン手仕事図鑑』の活動に共感してくれるカメラマン、あとは広報やPRをやってくれているスタッフです。
黒木)1人の職人さんは、1人のカメラマンが追いかけるのですか?
大牧)そうですね。ほとんどが1~2日の撮影です。
黒木)『ニッポン手仕事図鑑』を動画メディアで発信しようと思われたきっかけは何ですか?
大牧)伝統工芸ではなくて、それぞれの地域の文化風習を残す仕事をしたいと思っていました。地域ごとの文化や風習は、そこで働く人がつくっているので、そこで働かれている人にフォーカスしたらいいのではないかと思いました。
黒木)地域の活性、また伝統や町を守るということは、そこで働く人たちは人がつくっているわけだから、人にフォーカスを当てようということなのですね。
大牧)そうですね。その地域の産業や特産物は、暮らしている人の誇りです。僕は父親が京都で、母親が長野出身という環境のなかで育ったので、産業が衰退すると、地域への誇りも減ってしまいます。そこを何としても残すお手伝いがしたい。働いている人たちにフォーカスして、「こんな素敵な人がいるのだ」ということを届けたいと思って始めました。
黒木)なぜ、そこにたどり着いたのですか?
大牧)日本という国が大好きで、子どもが生まれたときにその思いが強くなりました。子どもが自分と同じくらいの年齢になったとき、自分の国を好きでいてくれるのかな、という漠然とした不安があったので、僕なりの好きな日本を残したいと思いました。
黒木)どのようにつくられているのか、知りませんものね。
大牧)どんな工程でつくられたか、どんな思いでつくられたかを知る機会がないというのは、実感としてあります。ただ、スタートの段階から大金を投資するということではなく、小さなところからスタートして、5年間少しずつ成長させて来たので、大きなリスクを背負ったわけではありません。
黒木)これまでは、どのくらいの方をメディアで取り上げられたのですか?
大牧)映像本数でいうと70本以上で、1つの映像に対して最大7人くらいの職人さんが出るので、100名弱くらいは映像に出ていただいているのではないかなと思います。
大牧圭吾(おおまき・けいご)/ニッポン手仕事図鑑 編集長
■1977年、長野県安曇野市生まれ。
■映像ディレクターとして、秋田県、長野県、神奈川県、和歌山県など、全国の地方自治体の移住促進PR映像などを手がける傍ら、「ニッポンの手仕事を、残していく」をコンセプトに掲げる動画メディア、『ニッポン手仕事図鑑』を2015年1月に立ち上げ、編集長に就任。日本の未来に残して行きたい技術や文化を、国内外に向けて発信している。
■2017年9月、監修の『子どものためのニッポン手仕事図鑑』を出版。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳