東京・高円寺の老舗銭湯「小杉湯」に若者が集うワケ

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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に東京・高円寺にある老舗銭湯「小杉湯」の3代目、平松佑介が出演。銭湯の新たな定義について語った。

ニッポン放送「あさナビ」

黒木)今週のゲストは東京・高円寺にある老舗銭湯「小杉湯」の3代目、平松佑介さんです。3代目を継ぐことになったときは、おいくつだったのですか?

平松)36歳ですね。

黒木)銭湯の価値を再定義しなくてはいけないとおっしゃっていますが、それはどういうことですか?

平松)若い人が予想以上に多かったというところと、「銭湯に救われた」あるいは「小杉湯に救われた」という言葉を多くいただいたのです。リラクゼーションを提供するというイメージだったのですが、人を救うまでの力があるとは思っていませんでした。自分たちが感じている銭湯の価値とは違う何かが、日常のなかのちょっとしたご褒美になっているのです。日常のなかの小さな非日常として銭湯があるのだということで、いろいろな仲間と話して「ケの日のハレ」と定義したのですけれども、日常のなかのハレの日という場所になっているのだと思います。週に1回、銭湯に来られたことでほっとできて、癒され、考えていることに余白が少し生まれて、明日から頑張ろうと思えるような存在になっているのです。

黒木)現代のライフスタイルに根付かせるということですね。新しい定義として、健康、リラクゼーション、地域コミュニティ、そして余暇やレジャーということですが、これを満足させるためにいろいろ改善して来たのですか?

平松)お客様が価値を感じてくれているので、お客様の話を聞いて、一緒に企画してイベントをやって来ました。

黒木)お父さんたちは何かおっしゃっていますか?

平松)もちろん心配はしますが、寛容に見守ってくれています。

黒木)完全引退ではないのですよね。一緒にやっていらっしゃる。

平松)はい。私がメインでやりつつも、父親もまだ元気なので、母親と主に番台に立っています。

黒木)家族でやっていらっしゃる。

平松)僕はベンチャーの創業にも関わって来ました。陸上競技に例えれば、ベンチャーの創業は100メートル走なのですが、家業は駅伝だと思います。小杉湯の場合、1区2区がいいタイムで走ってくれて、そのたすきを僕が受け取り、いま3区を走っている。4区目にもたすきを受け継がせたいという思いがあるので、20年後~30年後のことを日々考えながらやっています。

黒木)銭湯で皆さんが癒されただけではなく、救われたということを聞くと嬉しくなりますよね。

平松)そうですね。すごく大切な場所なのだと思います。銭湯を起点に、銭湯のある暮らしを改めてつくることが大切だと思っています。

黒木)遠くからいらっしゃる方はレジャーとして利用していますが、昔からあったわけですから、地域の人たちにはなくてはならない存在でもありますよね。

平松)昔からあったということは、大事だと思います。世代を超えて続いている、地域のお寺や神社に近いような場所。そこに行ったときに、その街にいていいのだと承認してもらえるような場所が、これから必要になると思います。

高円寺純情商店街(高円寺-Wikipediaより)

平松佑介(ひらまつ・ゆうすけ)/株式会社小杉湯 代表取締役 小杉湯3代目

■1980年生まれ。東京都出身。
■2003年、スウェーデンハウス株式会社に入社。4年目で全国トップの営業成績を記録し社長賞を受賞、トップセールスとして活躍。
■2011年8月、株式会社ウィルフォワードを創業。国内最大手のタクシー会社の採用コンサルティング、WEB制作、マーケティング、法人営業部署の再生、広報部門立ち上げなどの組織変革や、中小企業の採用コンサルティングに従事。
■2016年10月より杉並区高円寺にある銭湯・小杉湯の3代目として働く。小杉湯に隣接した解体を控えた風呂なしアパートを舞台に、多様なクリエイターが共にくらし、それぞれの専門分野と銭湯を掛け合せた活動を展開した「銭湯ぐらし」や、銭湯の価値を再定義し新たな文化を作る「銭湯再興プロジェクト」を進行中。

番組情報

ENEOSプレゼンツ あさナビ

毎週月曜〜金曜 6:43 - 6:49

番組HP

毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳

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