憲法審査会~与野党の討議は折り合わず
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月29日放送)に北海道大学教授・国際政治経済学者の鈴木一人が出演。憲法審査会について解説した。
憲法審査会
衆院憲法審査会は28日、憲法改正手続きを定めた国民投票法をテーマに自由討議を行ったが、与野党の議論は平行線で折り合わず、会期末までの成立は困難な情勢にある。
飯田)憲法審、議論するのも久しぶりだな、という感じで進まないですね。
鈴木)憲法審自体が長いこと開かれて来なかったことと、もともと平行線のテーマを「平行線だ」ということを確認するためにやっている部分があります。議論をするというよりも、国民的なコンセンサスをつくるというモメンタムがもういまはないので、安倍首相がいくら「自分のライフワークだ」と思っていても、これは首相1人でできることではありません。みんなで「これは問題だ」という共通認識が持てなければ、話し合いも進まないだろうと思います。
飯田)憲法9条というところになると、国際政治の面でも、貢献したくても憲法の制約でできないことが多いというようなことになります。これはもう20年以上議論しているところでもあります。しかしカンボジアPKOのときから進まないですね。
国民が納得するところで合意しながら、いかに進めるか
鈴木)そうですね。ただ平和安保法制など、いろいろな形で憲法は変えなくてもできることは徐々に増えて来ていますし、ある程度、憲法内でできることを考えることが、基本のやり方だろうと思います。もちろん、日本がいろいろな形で国際社会に貢献することは望ましいことだと思いますけれども、国民が納得しないでやるというのは、本来向かうべき道ではありません。国民が納得できるところで合意しながら、いかに進めて行くのかということだと思います。昔と比べれば、やれることは増えて来たので、それをどこまで工夫しながら考えることができるかだと思います。
飯田)何か条文をいじるということよりも、解釈改憲で積み上げるということが、日本人の気質にも合っているのかというような気もします。
鈴木)解釈改憲というか、国民のコンセンサスがそこにあるところでやって行く。そのために憲法を変えるよりも、みんなで緩くてもやって行くことだと思います。
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