水害と新型コロナウイルスの複合災害を想定~茨城県取手市の取り組み
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月8日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。複合災害を想定した取り組みについて、茨城県取手市「安全安心対策課」の斉藤職員に詳細を伺った。
複合災害
自然災害と新型コロナウイルスなど、複数の災害が同時に起こる「複合災害」。地震の頻発が見られ、さらにこれからは台風のシーズンを迎える。コロナウイルスと合わせて、この備えをどうするべきなのか。
飯田)先日、複合災害を想定した訓練を行ったばかりの茨城県取手市の取り組みを伺いたいと思います。教えてくださるのは茨城県取手市「安全安心対策課」の斉藤さんです。よろしくお願いいたします。今回の訓練なのですけれども、コロナウイルスとどういう災害を想定して行ったものですか?
水害と新型コロナウイルスの複合災害を想定
斉藤)これから出水期を迎えます。新型コロナウイルス感染下の現状で、水害が起きた場合の新たな避難所運営が急務だと考えています。避難所運営の中心となる自主防災会組織の会長さんや、地域と行政のパイプ役である市政協力員の方と連携をして、避難所演習を開催したところです。
飯田)どういうことに注意が必要でしたか?
斉藤)このコロナ禍の状況のなか、感染防止と避難を同時に行わなければならないので、入り口に検温や消毒、また部屋の換気をしながら3密にならないように注意しました。実際の避難所用のパーテーションを用いまして、皆さんと組み立てを体験し、通路の幅を2メートルずつ確保できるように確認しました。
空間はこれまでの基準の倍に
飯田)いままでの想定よりも空間を贅沢に使わなければならないと思いますが、収容人数も、数が少なくなるということですか?
斉藤)いままでの体育館の基準ですと、2平米に1人という割合なのですが、それですと密になってしまいますので、4平米に1人ということで倍にするという対策を講じました。
飛沫感染防止のために高さは1.8メートルに~体調を崩しても発見しにくい
飯田)避難所用のパーテーションを用いて、組み立ても体験と伺いましたが、これもコロナ対応では変わりますか?
斉藤)そうですね。縦横2.1メートルで、飛沫感染防止のために高さが1.8メートルという寸法になります。ワンタッチ方式でテントのようになっていて、2人で組み立てることが可能です。車椅子用に入り口を広げたり、連結することもできます。
飯田)そうすると高くなって、なかの様子が見づらくなってしまうわけですか?
斉藤)そうですね。パーテーションの高さが1.8メートルということで、プライバシーや飛沫感染は防止されるのですが、体調を崩しても発見が難しくなるのではないかという問題点も見えて来ました。
避難場所の確保に懸念
須田)スペースを広く取らなくてはならないということですが、避難所の数は十分に足りているのでしょうか? そして、問題が起こったときに対策する人の、人数の確保もめどは立っているのでしょうか?
斉藤)市としても、それは懸念しているところです。学校などの空きスペースや、地域の集会所などの避難所開設について検討しています。また、お住いの場所で安全確認を行うと共に、親せきや友人宅への非難の検討も呼びかけているところです。
飯田)地震の現場、熊本や北海道胆振東部などを取材した際、避難所でノロウイルスが蔓延して、実際に消毒しているところも見ました。消毒剤の備蓄も相当必要になりますね。
斉藤)原則、避難される方がマスクを着用し、体温計を持参し、消毒の液体などを持参されることが前提ではあるのですけれども、我々も市としては備蓄をして、持って来られない方については、こちらでも多少は用意してございます。
飯田)もうあと何ヵ月もなく近づいて来ますものね、こういうことは。
斉藤)昨年(2019年)は9月に2回、10月に1回と、3回大きな災害がございました。出水期を迎えましたので、万全な体制の構築を進めているところです。
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