ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月28日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。東京都議会が新型コロナ対策に5832億円の補正予算を提出したニュースについて解説した。
東京都議会、新型コロナ対策で5832億円の補正予算案提出
東京都議会の定例会が27日開会し、新型コロナウイルスの経済対策や感染防止対策を盛り込んだ総額5832億円の今年度補正予算案が提出された。
飯田)中小企業への融資枠の拡充、抗原検査の費用などが入っている。国の補正がきょう(28日)は1面トップですが、地方も独自の支援をいろいろとやっているのですね。
東京都の強み~自前の財政で対策を打ち出せる
鈴木)東京都は47都道府県のなかで例外と言ってもいいかも知れません。それぞれの道府県はなかなか税収だけでは成り立たなくて、国から交付金という形でもらっているのですけれど、東京都だけは集めた税金のみで財政をやれている、都道府県では唯一のところです。本社機能などがたくさんあるので、法人税もたくさん入ります。人口も多いですし、財政的には恵まれています。自分たちの持っているお金をうまく使えるのです。最初は小池さんも渋っていて「支援は国だ」と言っていたけれど、「東京都はお金を持っているから先行してやるべきだ」との声もあり、休業するお店に対して補償する協力金をいちばん最初に出しました。それはよかったと思います。取材をしていてトータル数千億単位で小刻みに分けて、3回くらいで補正を組んで行くのだと思っていました。今回が前回よりも膨らんでいるのは、補填と、次につながる経済活動に合わせて膨らんでいる感じです。抗原検査ですが、今回は医療体制にお金をかけるということです。抗原検査は、新型コロナがどれくらい感染してどうなのかという実態を知るためには必要なのですよ。ここにお金をかけるということが今回の特徴になっています。
コロナ対策へ早急に踏み切った地方自治体~災害を経験して得た強靭さ
飯田)東京の取り組みや協力金がメディアにクローズアップされて報道されていましたが、各都道府県や自治体には、そういう協力金を早くからやっていたところもあるのですよね。
鈴木)あります。県だけではなく、市町村でやっているのです。市町村はお金がないのですよ。しかし、自分の地域がどういう地域かは、基礎自治体がいちばんわかっています。そのために、実質的な補償を捻出しているのです。市町村は先決事項と言って、本当は議会がチェックしなければいけないけれど、市長、村長、町長自身の決断で組んでしまうのです。議会の承認は後から。議会もそこに協力しないとやって行けないのですが、首長だけにスポットライトが当たっているけれど、今回は地方議員も本当に頑張っていると思います。自宅待機中にパチンコへ行ったりするようなどうしようもない議員もいたけれど、やはり役所と議会が一緒になっているところは強いですね。それが住民にはよく見えたのではないでしょうか。
飯田)いままでも自然災害に揉まれて来た熊本、岩手、宮城などの早さには強靭さのようなものを感じますよね。
鈴木)その辺の首長に「何でこんなに早くできたのか」と聞くと、「地震を経験したからです」と言うのですよね。やはり自然災害とコロナは同じなのですね。危機管理を経験した首長が強い気がしました。
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