総合内科専門医のおおたわ史絵氏が、国内最大のクラスターが発生した永寿総合病院での事象について語った。
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集団感染の発見遅れ認める 記者会見する永寿総合病院の湯浅祐二院長=2020年7月1日午後、東京都内 写真提供:共同通信社
7月1日、新型コロナウイルスの感染拡大で、国内最大のクラスターが発生した永寿総合病院(東京都台東区)の湯浅祐二院長が、東京都内の日本記者クラブで記者会見した。
7月2日のニッポン放送「垣花正 あなたとハッピー!」に生出演した総合内科専門医のおおたわ史絵氏は、「昔、永寿総合病院で働いていたことがあって」と、過去に同病院で勤務していたことを打ち明けた。そして「ただ、昔過ぎて、スタッフも院長も、すべて昔とは違うので、今のことは知りませんけど……でも、他人事とは思えずに会見を見てました」と付け加え、今回の事象について語った。
「(新型コロナの対応について)仕方がない部分もあったんじゃないかと思います。まだコロナのことがわからない部分で戦っていた。そんな中で(今年3月に)クラスターを発生させてしまったが、当時はどれくらい防御すればいいか、わからなかったわけです」
今でこそ新型コロナウィルスについての情報は豊富になったが、当初は未知の感染症でよくわからない部分も多かった。そんな状況の中、他所の病院が受け入れを拒否している中で、新型コロナウィルスの患者を受け入れたのが永寿総合病院だ。
また、永寿総合病院で働く医療従事者の院内感染も発生している。
こうした状況を踏まえ、おおたわ氏は疑問を呈した。
「日本はなぜ、医療従事者の感染者数と死亡者数とその内訳を発表しないのか。海外では発表しています。我々が医療現場で働くためには、その詳しい情報がないと、第2波がきたとき、医療従事者はどのくらいの防御策で、どのくらいの距離をとって、どのくらいのことをやっていいのかという判断材料になります。もし国が(それらのデータを)知っているのであれば、教えてもらいたいデータの一つではあります」