7月18日、東京都内で新たに290人が新型コロナウイルスに感染していることが確認され、3日連続で200人を超えた。
そうしたなか、日本感染症学会の専門医で東京歯科大学市川総合病院呼吸器内科の寺嶋毅教授は13日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演し、新型コロナウイルス感染症の今後の見通しについて解説した。
第1波は乗り切れたが、ここにきて感染者が増え、油断できない長い戦いに
辛坊)寺島さんとは、私がこの春までやっていたとある番組でご一緒していまして、1年くらい前からお話を聞いていたのですが、その頃考えていたこの病気の日本における推移と、実際にその後日本で起きたことの推移は、どう見てらっしゃいますか。
寺島)第1波は抗体検査の結果などを見ても、日本としてはうまく乗り切れたと思います。ただ、思ったより早くここにきて患者さんが増えてきているということで、油断すると危ないというか、今後も長い戦いになるというのがいまの思っていることです。
インフルエンザの流行と重なる冬の病院での混乱はあるか
辛坊)私が関西で行っている行きつけの病院は、入り口が一箇所に制限されて、入る時にどのような病気かにかかわらず、体温測定をするのです。発熱していると、病院に入れてくれないのですね。新型コロナに感染しているかをPCR検査で調べて、感染していなかったら治療しましょうという流れになっているわけです。
最近私が感じている素朴な疑問なのですが、いまは夏場だからいいですけど、冬場になってくると、毎年インフルエンザが流行り始めますよね。そうなると、発熱した患者さんがいろいろな病院に、夏場とは桁違いの数が病院に行くことになりますよね。その人たち全員に「あなたは発熱しているので、別ルートに行ってください」と言って、PCR検査等々で新型コロナではないことを判定して次のステップに進むということをあと数ヶ月続けているということになると、とんでもない混乱が冬場に起きそうな気がするのですが、先生はどう見ていますか。
寺島)おっしゃる通りだと思いますが、むしろ3~4月の手探りの時は、そうでした。
辛坊)実際そのような感じだったのですか。
寺島)はい。幸い、他の熱の人が減って、いまは少しそこの交通整備もスムーズになりつつありますが、もちろん辛坊さんが予想しているようなことは我々も予想していますから、この第1波、特に2月・3月のインフルエンザもあった時期を経験していますので、それに対する準備も混乱なくいけるといいなと思いますが、皆さんがインフルエンザにかからないように予防接種をするとか、今回、出かけない、マスクする等々で、インフルエンザそのものが感染数が少なかったということも、必要以上の混乱を招かずに済んだので、次のインフルエンザのシーズンもそうあってほしいと願っています。
辛坊)確かに、インフルエンザと新型コロナは感染の仕方が非常に似通っているので、新型コロナをしっかり感染予防できるような状態なら、インフルエンザもかなり感染予防ができるということですね。
寺島)そうです。
辛坊)となると、どうなのですかね。インフルエンザはある程度、そうやって抑え込めるものなのですか。
寺島)そうですね。インフルエンザは人と人との接触が基本なので、むしろコロナの予防ということになってくれると、予防接種が当たるかどうかにもよりますが、爆発的ということはないかもしれません。
ワクチンはいつできるのか
辛坊)予防接種という話ですが、私もいろいろなところで聞かれる優先順位がいちばん高いものはそういったことでして。私のレベルでそのようなことはわからない話なのですが「ワクチンはいつ出来るのですか?」ということを聞かれることがありまして、お医者さんはどう見ていますか。
寺島)やはり、1年・2年先かなという気がします。
辛坊)そうすると、それまではとにかく感染予防を徹底的にするしかないということですか。
寺島)そうですね。
PCR検査で陽性となった場合の病院搬送のプロセスとは
辛坊)実際に自分が感染したらということを想像するのですが、例えば「行きつけの病院の入り口で引っかかりました」→「発熱していました」→「PCR検査をしたら陽性だとわかりました」となった場合、その後どこの病院に搬送されるかなど、どういうプロセスを辿るのですか。
寺島)もしそれでご自宅に帰られて、結果を待って陽性ですという連絡があった場合は、基本的には、保健所のどこどこの病院に入院してくださいということになります。
辛坊)保健所から指定が来るわけですか。
寺島)はい、保健所の方で指定病院、あるいは入院を受けることができる病院に交渉のようなかたちで。あるいは、自治体によっては、県の全般を取りまとめて、どこの病院にどのくらい入院していて、まだここはこのくらい余裕があるとか、軽症だったらこの病院、高齢者で持病があって酸素が必要そうだからもう少しいろいろな設備が整っている病院とかといった形で、マネージメントしています。
辛坊)それは自治体ごとに、患者さんの病状が今後どのようなかたちで展開されるかによって、それも見越しながら病院を決めているということですね。
寺島)それもあります。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)