中国は必ず既成事実化する~調査船が沖ノ鳥島周辺で連続活動

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月21日放送)にジャーナリストの有本香が出演。沖ノ鳥島周辺で無断活動する中国の海洋調査船について解説した。

航空写真(2007年6月)(沖ノ鳥島-Wikipediaより)

中国の海洋調査船が沖ノ鳥島周辺で10日間連続活動

菅官房長官は7月20日の記者会見で、「中国の海洋調査船が7月9日~18日の間、日本最南端の沖ノ鳥島周辺の排他的経済水域(EEZ)内で、無断に活動を行った」と指摘した。菅官房長官は、「沖ノ鳥島は国連海洋法条約上の島だと考えており、その周辺海域にEEZなどを設定している」と述べ、その上で「中国に我が国の立場を説明している」と強調した。

飯田)中国側は岩だと言っているということです。

習近平国家主席=2020年6月22日 写真提供:時事通信

日本の領海でなく、EEZであっても中国の調査活動は許されない

有本)昔から岩だと言い続けています。岩だと言っている中国に対して、説明したところで仕方がないという話です。石原慎太郎さんが都知事だったときに、波に洗われて小さくなってしまうので、「もし国がやらないなら東京都が護岸工事をやる」と言っていました。これは小笠原諸島ですから、東京都のものです。小泉総理に掛け合いに行き、結果的には国土交通省が護岸工事をしました。そんなこともありましたが、我が国としては、これは絶対に島です。もしこれが島でないとするなら、膨大なEEZを失ってしまいます。中国は、長年「岩だ」と言い続けていますから、この海域が日本の領海でなく、EEZであっても、中国がいろいろな調査活動を行うことは、本来は許されていないことです。領海でなく、EEZであっても、我が国が管理・管轄する海なのです。排他的というのはそういう意味です。他の国の船が、勝手に調査活動や漁業活動をやってはいけないということです。しかし、中国がこれをやり続けていても、日本側はさしたる対応をしません。「出て行け」ということをやらないので、このままにしておくと既成事実化してしまいます。普通にニュースで「何日目」と伝えていますが、これはとんでもない話です。

飯田)南シナ海で中国がやり始めたことと同じですよね。

有本)南シナ海の場合は、それこそ岩を勝手に島にしてしまったということですが、ここでは日本の島を岩化しようとしています。これは非常に由々しき問題です。石破さん辺りがこういうことについて、もっと踏み込んだ発言をされれば、人気も上がり、頼もしさも増すのだけれども、そういうことはおっしゃらないわけです。

飯田)これは、海保が対応するのですが、沖ノ鳥島と尖閣があり、竹島や大和堆や北方領土があり、ということで手が足りないのではないかと思います。

消波ブロックとコンクリートの護岸(2010年6月撮影)(沖ノ鳥島-Wikipediaより)

中国にとってグアムへ連なる重要な位置にある沖ノ鳥島

有本)多方面ということになってしまいます。中国にとって、沖ノ鳥島が位置的にどう重要かというと、グアムへ連なるラインの上にあるからです。

飯田)中国の論で言う、第2列島線ですね。

有本)そうです。地図はどこかで見ていただきたいのですけれども、小笠原も同じことです。小笠原諸島という意味では、沖ノ鳥島を含めてこの地域も、何年かおきに狙って来ています。

飯田)記憶に新しいのは、サンゴを根こそぎ取って行ったということがありました。

有本)6年前の2014年ですね。あのときも、日本政府は基本的には何もできなかった。

飯田)そうです。

有本)当時、東京都は舛添知事でしたが、舛添さんもあまり積極的ではなく、小笠原の村長さんが24時間ほど船に乗られて、東京まで陳情に来られた。そのときも、あまり国会議員もきちんと聞いていませんでした。政府として、やることもやらずに、中国船は多いときには200隻もいたということでした。私はそのときに村長に取材しましたが、非常に生々しい話を聞きました。領海が12キロで、10キロくらいのところに船がいると聞いていたので、「けっこう近いですね」と言ったら、「実はその半分くらいのところにいるんです」と。「沖合5キロくらいのところに船がズラっと並んでいて、夜になると煌々と電気を点けているんです」とおっしゃっていました。

飯田)目視でわかるのですね。

南島(小笠原諸島-Wikipediaより)

小笠原に飛行機を飛ばせるようにするべき

有本)小笠原はサンゴを守るために、夜は終夜灯を点けて、漁をしてはいけないことになっています。そうやって、ずっと守って来た海の環境であるにも関わらず、煌々と光を点けているそうです。それが、数キロ先に並んでいる不気味さというものがあります。200隻で、もし船に10人乗っていたら、合わせて2000人です。そうすると、小笠原村全体と同じくらいの数の人間が、もしかしたら一気に上陸して来るのだろうか、という恐怖もあります。昼間もいるので、親がついて子供たちを登校させていたそうです。身の危険すら感じるような状況だからこそ、何とかして欲しいということだったのだけれども、政府は全然動かなかった。環境の問題に配慮しなくてはいけないけれど、小笠原に飛行機を飛ばせるようにするべきだと思います。

飯田)そういうときに、村長が24時間かけて船に乗らなくてはならない。

有本)それから、東京からものや人が運べる環境をつくるということ。

飯田)急患の輸送ということもあります。

有本)それと、中国の船を仮に捕まえるとしても、東京港まで1000キロ連れて来なくてはいけない。これが大変だということで、小笠原自体でいろいろな法的手続きを取れるように考えた方がいいということも、当時は議論していましたが、全然現実になりません。

飯田)喉元を過ぎれば忘れてしまう。

有本)そうです。中国の調査船は5~6年おきに来ていますけれども、今後、もっと間を詰めて来ると思います。海の守りをどうするかということを、国民ももっと深刻な問題として捉えなければいけないと思います。

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