ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月24日放送)に国際政治アナリスト・NPO法人海外安全危機管理の会 代表理事の菅原出が出演。東京都医師会・角田徹副会長にも電話をつなぎ、新型コロナウイルスの感染者数の増加について解説した。
検査数も増加しており爆発的な増加ではない
東京都は23日、都内で新たに366人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表した。都内で1日の感染の確認が300人以上となるのは初めてだ。また大阪府で104人、愛知県で97人など33の自治体と空港の検疫の15人を合わせて全国で981人の感染者の発表があった。こちらも1日の感染者数としては最多となっている。(※東京都の新たな感染者はその後24日に260人、25日に295人、26日に239人と発表された)
飯田)再び感染が広がっているのではないかということが言われていますが、感染症のエキスパートの方にお話をうかがっていきます。東京都医師会副会長で角田外科消化器科医院の院長の角田徹先生と電話がつながっています。角田先生よろしくお願いします。
角田)よろしくお願いします。
飯田)23日にはついに300人超え、366人と東京の感染者数が出てきた、こういった数字がセンセーショナルに報じられることも多いのですが、先生ご自身はどうご覧になっていますか
角田)最近の検査の要請数は6.7%、約7%なので、5,000人検査すれば300人以上出ますし、場合によっては400人超える日もあるかなと想定していました。
飯田)なるほど。そうすると、この率からすると傾向は変わっていないという理解でよろしいですか
角田)そうですね。感染者全体の数が増加していることは間違いないのですが、全年齢層に広がっているというような爆発的な増加ではないと考えますね。
飯田)徐々に高齢の方にも広がりつつあるということも指摘されていますが、この傾向というものも間違いないですか
角田)そうですね。当初は20代・30代が7割・8割だったのですが、23日辺りでは60%くらいになって、高齢の人達も増えていますね。そうすると、高齢の方は重症化率が高くなるので、これは気をつけなくてはいけないという状況ですね。
飯田)そうするとやはり若い人だとか軽症者はホテルなどに療養してきちんと病床をあけるという対応になっていくわけですか
角田)そうですね。重症化率の低い若い人たちに対しては、他の人にうつさないというしっかりとした対策のもとに、ホテルないしは自宅療養という選択肢も出てくると思います。
飯田)一時期2,000を超える部屋数が用意されていた東京都のホテルですけれども、だいぶ減ってきたということが報じられていますね。今後どうされていくのですか
角田)知事もおっしゃっているように再びホテル数を増やして、2,000床を目途に増やしている最中ですね。
コロナ専門病院化することで他の医療を守る
飯田)東京都医師会の尾崎会長もおっしゃっていたのですが、コロナ専門の病院をつくるべきなのではないかという指摘があります。これは具体的な動きなどはあるのですか
角田)当初から私たちはその主張をしていまして、動きはあるのですが、なかなかコロナ専門病院となる現場の理解を得ることに時間がかかっていると思っております。
飯田)なるほど。大阪では実用化されていると聞きますが、なかなか現場レベルでは難しいところがありますか
角田)そうですね、やはりいろいろと。特に院内感染などを起こしたところは心情的な、トラウマのようなものもあるように聞いていますね。
飯田)なるほど。しかし現場としてはすべての病院が少しずつ受け入れるよりも、こちら(専門病院化)の方がいいのではないかというのは常にあるのですよね。
角田)その方が明確なのですね。コロナにかかったらそこへ運ぶ、という形で、他の医療を守るということが必要ですね。
感染リスクを高めるのは移動や旅行自体ではなく移動先で3密になること
菅原)感染してから10日くらいして重症化するケースもあるとうかがっております。感染者が100名、200名超えするようになってからもう2週間くらい経っていると思うのですが、例えばそこから新たに入院したり重症化する患者の比率が増えているとか、そういった傾向ですと、いまの進行度はどのように捉えればよろしいでしょうか
角田)東京都が出している値で、23日の重症者は21名ですが、これは入院時の判定なのですよ。ですから、ご指摘のように入院してから重症化する人は必ず出てくるはずなので、やはり高齢者はよりその可能性が高いですね。
飯田)そうすると、その辺りのまとまった数字というのは、まだ出てきていないというか、いままでもそうですがなかなかまとめきれていないということですか
角田)そうですね。入院してからの状態の変化はなかなか日にちの関係もあってうまく反映されていないと思います。
飯田)なるほど。一方で患者数がこれだけでるとその人たちがどこで感染したのかということを保健所の方は1人1人調べなくてはいけないですよね。ここの負担もかなり厳しくなっていないですか
角田)この感染症では、濃厚接触者の接触歴は極めて重要なのですね。3密というのが感染する環境で大きいですので。ですから、これだけ人数が増えてくると保健所のマンパワーだとなかなかすべてをきちんと調べ上げるのは難しい状況だと思います。
飯田)それよりもコロナ専門病棟など医療体制をしっかりして、かかっても大丈夫という体制をつくる方に注力するべきなのではという指摘もありますが、いかがですか
角田)それはそれで進めております。やはり重症化した人たちをしっかり受け入れられる体制を保ちながら全体の動きをみることは重要ですね。
飯田)なるほど。全国のみなさまへお医者様としていま訴えたいことがありましたらお願いいたします。
角田)やはり移動や旅行自体が感染リスクを高めるとは考えないですね。ただ、旅行にいったり移動したりすると、そこで宴会など3密の状態をつくってしまう傾向がありますね。ですから、引き続き個人の感染予防の行動、つまり3蜜を避けるとか、人と話すときはマスクをつけるとか、あとしっかりと手を洗うと、それを徹底していただきたいと思います。また、お年寄りと接触するときはより一層注意していただくことが極めて重要だと思います。
飯田)はい。わかりました。ありがとうございました。東京都医師会副会長で角田外科消化器科医院の医院長の角田徹先生にうかがいました。
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