東京都にあるこれだけの疑問~抜本的に見直すべきコロナ対策
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月4日放送)にジャーナリストの有本香が出演。政府、東京都の迷走するコロナウイルス対策について解説した。
東京都、3日から時短営業を要請へ
東京都は新型コロナウイルスの感染防止策として、8月3日から31日まで、都内全域の酒を提供する飲食店とカラオケ店に、営業時間を午後10時までに短縮するよう要請した。
飯田)新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく要請で、応じた中小事業者には20万円の協力金が支給されるとのことです。東京で再び感染が拡がっています。どのような対策をするかということで、出して来た答えがこれです。
どこへ向かって行くのか方向性をはっきりさせるべき~経済活動を回すのか封じ込めに行くのか
有本)現在の新型コロナウイルスに関する全体的なことからお話ししたいのですが、国も含めて、いまどのような状況でどこへ向かって行くのかという方向性、また、国がいま現在のあらゆる知見を集めた上で、大局をどう見ているかということが、まったく国民に伝わっていません。このウイルス自体が、幸いにして日本においては、いまや大きな脅威とは言えなくなっています。感染者の数だけはたくさん増えていますが、検査も増えているという状況で、ほとんどの人が重症化していません。それから、亡くなった人の数をみれば、3月~4月時点と比べて相当少なくなっています。その辺りの状況を、専門家の知見も含め説明した上で、経済活動を回して行くのか……Go To キャンペーンをやると言っていましたから。
飯田)そうですね。
有本)そうではなく、もっと封じ込める方向に行くのか。この方向を、まずははっきりさせるべきだと思います。仮に、「もっと封じ込める」という方向に行くのであれば、Go To キャンペーンと矛盾します。また、5日から段階的にとは言え、外国からの入国者を受け入れるわけです。こことの整合性も取れません。「お盆休みの帰省も控えてください」ということを言いながら、ビジネスマンとは言え入って来た人たちに、日本の場合は「2週間屋内にいてください」ということは言えません。
飯田)そうですね。法律上の裏付けがないと、要請にすぎませんから。
アクセルとブレーキを同時に踏んでいる状況~わかりにくい
有本)要請にすぎないという状況は、国民にとって何を言いたいのか、何をしたいのかわからないということになりかねません。まずは、いまどのようなステージにいて、どこへ向かうのかということを、政治家は責任ある言葉で言うべきだと思います。ブレーキとアクセルを踏み分けるのではなく、同時に踏んでいるという状況は、あまりにもわかりにくいです。
東京都はコロナ対策を抜本的に見直すべき~なぜホテルを解約したのか
有本)そのなかで、とりわけ問題にされるのは東京です。東京問題などと言われていますが、飲食店の午後10時までの営業というのも、どれだけの科学的根拠があって言っているのか、私にはまったくわかりません。それから、この問題で、菅官房長官がここへ来て前に出られているという印象があります。菅さんに関しても、全体的にはいろいろ言いたいことがありますが、実務面の対応に関しては、頼りになるという感じはあります。ホテルを解約してしまった件がありますが、この辺りは都民としても「なぜそんなことをしたのか」という、東京都知事からの説明が欲しいところです。これは振り返っての話ですが、もう1つは、東京都と23区、それから保健所の間がうまく行っていなくて、根詰まりを起こしていると発言されていました。それを、国がまとめるかたちで会議体をきちんと組織して、ようやく機能するようになりました。3~4ヵ月前の時点では、感染者の数だけは上がって来るけれども、検査数はまったく上がって来なかった、それほど酷い状況だったということをいま言われても、という感じです。東京都は、コロナ対策の体制そのものを抜本的に見直すべきだと私は思います。いままでのやり方で反省に値することは、きちんと都民に説明するべきです。
飯田)いまだにファックスを使ってやりとりをしていて、3日遅れのデータしか上がって来ないということは、対策を打つ上でも不自由で仕方がないです。
有本)それで、数字だけがひとり歩きするような報道が出るではないですか。
飯田)そうですね。感染者数だけが出ます。
有本)そうすると、巷でも「何か拡がっているみたいだよね」という感じになって、これだけでも気分が縮小しますので、景気にも大きく影響します。そういう意味で、全体的に雰囲気だけで怖がっているのはよくないと思います。
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