韓国とは感情的にならず淡々と付き合うべき~元徴用工訴訟
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月5日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。「公示送達」の効力が発生した元徴用工訴訟について解説した。
いわゆる元徴用工訴訟~麻生財務大臣が対抗措置に言及
麻生財務大臣は8月4日の閣議後会見のなかで、韓国のいわゆる元徴用工訴訟で差し押さえられた日本企業の資産が実際に売却された場合の措置について、「しかるべく対応を取らざるを得ない」と話した。
飯田)韓国の裁判所が出した、資産の差し押さえ命令決定書が日本製鉄側に届いたとみなす「公示送達」の効力が8月4日に発生したということで、これを今後どう扱って行くのか。
北朝鮮にしか興味がない韓国~感情的にならずに淡々と付き合うべき
佐々木)日本側はあまり韓国を刺激しないようにやって来ましたが、ここ1~2年の韓国専門家の発信を見ていると、もはや韓国は日本に興味がないようです。昔と比べるとお互いの輸出入も少なく、経済的な結びつきもかなり減っています。文在寅政権は北朝鮮にしか関心がありません。北朝鮮問題についてどう考えるか、そのときにアメリカとどう連携するかということだけを考えていて、日本にはまったく興味がないような状況です。日本政府は迎合する必要も、無理に押す必要もありません。ドイツとフランスのように、隣の国とは仲よくできないものです。あまり感情的にならずに距離を置いて、淡々と付き合い、法的な問題に関しては処理して行くしかないと思います。
過剰に反応すると「日本は韓国と対立している」というマイナスイメージだけが広がる
飯田)国際的にミスリードを与えるような、間違った言説を流布するところは抗議する必要がありますが、感情的にならずにということですか?
佐々木)そうです。この前の慰安婦の少女像の前で、安倍さんが土下座しているものもそうですが、日本側が過剰に反応すると対韓国、対国内ではなく、国際的にどう見えるかを考えた方がいいと思います。日本は常に冷静に対応しているように見せた方がいいです。過剰に反応すると、「日本は韓国と対立しているらしい」というマイナスイメージだけが広がってしまいます。ここは淡々とやるのが、対外的にいちばんいいと思います。
飯田)資産の売却は非上場株なので、資産鑑定など、日本製鉄側も即時抗告するという方針になっていますから、まだまだ手続きに時間がかかるということですか?
佐々木)普通に考えると、韓国側もなぜそこまでするのか、非常識極まりないと思います。しかし、腹を立てても何も進みません。
飯田)法的な手続きとしては、日韓の基本条約があり、請求権協定があり、紛争処理の手続きもあります。これを粛々とやりながら、何かやって来たらこちらも返すと。どうして論理的に話し合えないのかと思ってしまいますが。
ツイッターで酷いツイートの返しに冷静に応えるのと同じ
佐々木)対外的にどう見えているかということの方が大事です。ツイッターのやり取りと同じです。ツイッターで何か言われて腹を立て返すと、クソリプにムキになって反応していると思われますよね。反応するときは、「それを冷静に見ている人たちにどう見えるか」ということを考えながら反応することに決めています。だからどんなに酷いクソリプでも、穏やかに返すと「佐々木さんはああいうものにもちんと穏やかに返しているのね」と、評価が高くなります。
飯田)決して激しい言葉を使わないと。
佐々木)ムキにならないということです。
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