日本に強硬措置を取らざるを得ない韓国の実情~元徴用工訴訟
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月3日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。元徴用工問題について、強硬措置を取る韓国の実情と今後日本のするべき対応について解説した。
元徴用工訴訟について、差し押さえ手続きが完了
元徴用工訴訟について、韓国の裁判所による資産の差し押さえ手続きが8月4日に完了する。今後、現金化が行われれば日本政府は対抗措置を取る方針である。
飯田)ということですが。
経済が厳しい状態の韓国~日本から譲歩を引き出すための動き
須田)これは元徴用工問題というより、日本による輸出規制が相当効いているということです。WTOに対する動きも韓国側は再開しています。そして、サムスン電子のつくっているスマートフォンの販売台数が、世界ナンバー1の座から落ちたというデータも出ています。これは日本からの輸出規制だけではなく、コロナの問題もあるでしょうし、そういうことが関連して、韓国経済が非常に厳しい状態になっている。それに対する一連の韓国政府の動きなのだろうと思います。
飯田)差し押さえ手続きが完了したとしても、すぐに売られて資産が現金化するということではなく、その先の手続きがあるようです。ただ、象徴的な意味は持ちますよね。
須田)そのなかで日本側から別の点で、輸出規制の問題も含め、何らかの譲歩を引き出したいという意図が韓国側にあるのではないかと思います。
飯田)輸出基準の見直しの部分も、基準をクリアすれば輸出するということで、多少遅れはあったけれども、フッ化水素など、一部は既に韓国へ輸出しているという報道もありますよね。
須田)一部ですから、それなりの影響が出ているのですよ。言ってみればもとの状況、ホワイト国的な存在に戻して欲しいというのが、韓国側の本心でしょうからね。加えて新型コロナの影響も大きいですから、経済面については相当な危機感を持っているのだと思います。
経済再建というところに韓国国民の関心が向かっている
飯田)経済面でのメリット・デメリットと、自国内で自分たちがどう見えるかということですね。支持率も下がって来ている状況があるようです。この辺を考えると、強硬策を取り続けるような形になるのでしょうか?
須田)強硬策を取り続ける以上に、平時であれば国民の支持関心を集めることはできるのだけれども、これだけ経済の落ち込みが激しくなっていると、「もっと経済をよくして欲しい」というところに軸足や関心が向かっているのではないかと思います。
飯田)もともと雇用を立て直すというところから始まった文在寅政権ですが、それもあまりうまく行っていないようですね。
須田)結果的に最低賃金を上げたのはいいけれども、それに企業が耐え切れなくなっているのが現状です。経済の原理原則を無視したような政策が、むしろ逆回転しているような状況になっています。
日本は下手な譲歩をしてはいけない
飯田)日本としては、粛々とやるしかないということですか?
須田)そうですね。ここで下手な譲歩、政治的な決着をつけるということだけは避けてもらいたい。それをしてしまうと、日本に対しては「これでできるのだ」と思われてしまいますからね。
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