分党はある? 助成金が手土産? 国民民主党の立憲民主党との合流の情勢 辛坊治郎が検証

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キャスターの辛坊治郎は8月19日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演し、この日両院議員総会を開き、立憲民主党との合流を正式に決定する国民民主党の動きについて、現場で取材中のニッポン放送の畑中秀哉記者と結んで解説した。

立憲民主党との合流をめぐり国民民主党の分党を表明する玉木雄一郎代表=2020年8月11日午後、東京・永田町の国民民主党本部 写真提供:産経新聞社

主義主張というよりは、支持率が若干上の党を選ぶ

国民民主党は19日午後4時半ごろから両院議員総会を都内のホテルで開き、立憲民主党との合流について最後の話し合いを行なっている。玉木雄一郎代表が表明した分党が認められるかも焦点となっている。

畑中)国民民主党、午前に執行役員会、午後には1時から地方の関係者を集めた合同会議が開かれました。これが、午後4時に終わる予定だったのですが、30分ほど長引きまして、両院議員総会が始まったのは午後4時35分からということになります。現在(午後5時8分)も、もちろん続いています。冒頭、玉木代表が「解散、解党について議論いただく」ということで、この時点ではまだ「分党」という言葉は使っていません。「国民民主党にひとつの終止符を打ち、新たなスタートを切っていける、前向きな結論を導きたい」と、このように挨拶しました。一言一言噛み締めるように発言していました。これが、ひとつの決意とも取れるのですが、それが諦めなのか、あるいは覚悟なのか、これはどちらとも取れる感じです。この会場のうしろの席では、小沢一郎議員がずっとマスク姿で瞑目していたのが大変印象的な状況であります。

辛坊)国民民主、衆議院が現有戦力でいうと40人、参議院22人。合わせると62人。それなりに大きいですけども、実際に分党が認められるということになったときに、何人行くのか。大半はどうやら立憲民主の方に行きそうだということは連日報道されていますけれども、玉木さんの方に何人くらい残るんですかね。

畑中)いまのところは前原元外務大臣ですとか、古河代表代行の辺り数人程度ということなのですが、実はまだ三分の一くらいの人が態度を決めておりません。とにかく、両院議員総会で決めるという人もいるわけです。とは言いましても、いま辛坊さんからありました、国民民主党が62人。このうち比例の議員。比例区比例代表の議員が29人いるわけです。ですから、政党支持率1%前後をうろうろしているなかで、この国民民主党の看板では戦えないという人たちはおそらく、合流になるだろうということになります。

辛坊)結局のところ、主義主張というよりは……。たしかに、気持ちはわからないでもないですが、国会議員は落ちてしまったらただの人ですから、なんだかんだどれだけ偉そうなことを言ったって、何の力にもなれないということでいうと、国会議員という立場を維持するためにはとにかく選挙に通らなければいけない。選挙に通るためには支持率が若干上の立憲民主の方で衆議院で比例復活を狙った方が、勝ち目はある。それが国民にどれだけ受け入れられるか。つまり、合流したあとの新しい党が、いまの立憲民主党の人並みの支持率を得られるかどうかはなかなか読めないですよね。

衆院本会議に臨む立憲民主党・枝野幸男代表と国民民主党・玉木雄一郎代表(左)=2020年1月20日午後、国会 写真提供:産経新聞社

助成金を“手土産”に新党で主導権を握りたい

畑中)いやらしい話として、金の論理というのがありますよね。国民民主党というのは、旧民主党の存続した形ですので、その遺産も含めて、だいたい50億円の資金があると言われています。

辛坊)これも政党助成金だから、本来の主旨から言うと、政党が変わったら国家に返して欲しいと思うのですが、それが制度的にそうなっていないんですよね。

畑中)そうなんです。ですから、合流議員のなかにはこの人と共にお金を“手土産”にすることで新党のなかで主導権を握りたい、こういう思惑もあるようです。

辛坊)比例での復活を考えている衆議院の議員さんというのは、立憲民主と合流したときに選挙区でぶつかることは基本しないものなのですか。

畑中)どうでしょうね。このあとのひとつの頭の痛いこととして、選挙区調整というものが行われることにはなるのですが、もともとは民進党だった議員がそのまま別れて元鞘になるということも考えますと、それほど大変な作業にはならないと思います。

辛坊)新しく最近なった人は別として、もとからの人は要するに、選挙区的には住み分けは済んでいる人だからそんなに問題は起きないということが常識的な見方ですかね。

民進党本部を出る前原誠司代表=2017年10月2日午前、東京・永田町 写真提供:産経新聞社

憲法改正実現のキャスティング・ボートを握る思惑も

畑中)そうですね。もうひとつ、数の論理なのですが、実は国会は参議院で憲法改正に前向きな勢力というのが自民公明、それから日本維新の会などを含めますと、数え方にもよりますが、だいたい160人ほど。三分の二発議に必要な164人にわずかに足らない。先ほど申し上げましたように、残留する人が数人程度になるかもしれないと申し上げましたが、この数人程度でも場合によると……。

辛坊)大きいですね。

畑中)そうなんです。憲法改正実現のキャスティング・ボートを握ってしまう可能性もある。そういった思惑も、分党派、あるいは残留派にもあるのではないかと思われます。

辛坊)さきほど、前原誠司さんの名前が出てきましたけれども、前原誠司さんの日ごろの発言その他を聞いていると、憲法改正に積極的な維新なんかとの整合性というか、肌合いというのは悪くなさそうですが、どうなんですか。数人ではもう活動ができないので、維新と一緒になろうか、という流れはあるんですかね。

畑中)いずれはそういう可能性も出てくるでしょう。いまのところ、この旗幟を鮮明にしている人は、前原さんや古川さん、この人たちの本音というのは、もちろん日本維新の会との合流というのも選択肢としてはあるかもしれませんが、とにかく合流しなくても選挙に勝てる人たちだと思います。ですから、「魂を売ってまで合流するのか」という信念もあると思います。

辛坊)そういうことですね。小選挙区で勝てそうな人は、何も比例復活目当てにわざわざ入ることはないということですね。

畑中)プラス、分党してあわよくば金庫を守るということもあるのでしょう。まだ「分党」という言葉が出ておりません。果たして、この両院議員総会、いまは両院議員懇談会という形になっていますが、そのあと総会で議決をすると。

辛坊)なるほど。まもなくその辺りははっきり見えるということですね。

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