米司法省がグーグルを提訴~トランプ政権の本当の狙い
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月21日放送)に自由民主党・参議院議員の青山繁晴が出演。米司法省がグーグルを独占禁止法違反の疑いで提訴したニュースについて解説した。
アメリカ司法省がグーグルを独占禁止法違反の疑いで提訴
アメリカ司法省は10月20日、IT大手のグーグルがインターネットの検索サービスや広告の分野で、独占的な地位を利用して公正な競争を妨げているとして、日本の独占禁止法にあたる反トラスト法違反の疑いで提訴した。
飯田)グーグル側は利用者が使いたいから使っているのであって、司法省の提訴には重大な欠陥があると反発しています。
トランプ大統領の行為に「大統領選のためだ」と批判するメディアがなぜか沈黙
青山)このニュースには不思議な点が1つあります。アメリカの司法省はトランプ政権のなかにあって、トランプ大統領の意を体しているわけです。政権の意向は関係しますが、中立を貫こうとしている日本の法務省とは少し違うところがあります。トランプ大統領が何かやると、メディアは必ず「大統領選挙のためだ」と決めつけます。それが今回は、なぜか日米とも言いません。特に日本はシーンとしていますよね。
この時期にグーグルを提訴する狙い~大統領選のためのアピール
青山)これは逆に大統領選と関係があるのだと思います。国として見たとき、いまの儲け筋は巨大ITしかありません。「アメ車」という言葉があるくらい、車と言えばアメリカという時代もありました。ですがいまは全然売れません。巨大IT企業だけがどんどん儲けているので、労働者が反発して「ラストベルト」という言葉ができた。皆さんご存じの湖のほとりのデトロイトに行かれるとわかりますが、いまや廃墟の町となっています。そこで巨大IT企業が利益を独占するのをやめさせ、中国に企業が行くのをやめさせて、ラストベルトの錆が取れるようにするというのが本来のトランプ戦略です。GAFAという巨大IT企業の1つであるグーグルをこの時期にやるというのは、狙いすましてやっているのですよ。
苦しいグーグルの反論
青山)ただグーグルの言っている反論がすべて正しいとは思いません。それは他のGAFAもそうですが、日本に住んでいる私たちも、アメリカ資本の巨大IT企業にどんどん情報を収集されています。私は、位置情報サービスをオフにして情報を抜かれないようにしています。初期設定のままにしておくと、どんどん情報が抜かれます。そして、その情報をあからさまに持って来ます。例えば「前回はこの本を注文しましたよね」などとリコメンドが来ます。
飯田)「そんなあなたにおすすめなのはこちら」というような。
青山)アマゾンでもそうです。提訴したのは、そういうのが新たな独占の形態なのだという考え方です。グーグルは、「独占禁止というのは古い考え方でやるはずだ」と言っています。しかし、新しいやり方がどんどんIT技術の進化に伴って出て来ています。グーグルの反論は苦しいところがあります。ですが、この結論が出るまで時間がかかるでしょう。大統領選挙に間に合わないけれども、やり始めたということです。
飯田)それがニュースになるということも。
青山)「私は労働者の味方だ」というアピールです。
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