ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月27日放送)にテレビ東京・政治部官邸キャップの篠原裕明が出演。アメリカ副大統領側近のコロナ陽性反応を受け、日本の総理の職務権限の継承について解説した。
米ペンス副大統領の側近が新型コロナ陽性反応
10月24日、マイク・ペンス副大統領の側近2人が新型コロナウイルスに感染したことを、米ホワイトハウスが明らかにした。
飯田)アメリカのペンス副大統領の側近が新型コロナ陽性反応というニュース。大統領に次いで、副大統領の側近も感染しました。「こういう立場の人がかかって大丈夫か?」という問題が出て来ます。
篠原)ポーランドの大統領も、新型コロナに感染したという事例がありました。各国、警戒していてもトップにまで及んで来る。アメリカの副大統領というと、大統領職を引き継ぐ重要なポストです。副大統領以下、下院議長、上院議長代行、国務長官と決まっています。これまで副大統領までしか職務権限が継承されたことがないですから、それに続く順位も決めておくことは極めて重要です。
日本の総理の職務権限の継承順位~曖昧な表現の「引き継ぎ時期」
篠原)これは対岸の火事ではなく、日本も菅総理、麻生副総理にコロナが及ぶ可能性があるわけです。日本も第5位まで総理の職務権限の継承順位を決めています。それを初閣議で菅総理が指定しています。「菅内閣の危機管理の徹底を図る観点から、あらかじめ順位を指定している内閣総理大臣の臨時代理は、第1順位は副総理をお願いしている麻生財務大臣、第2位は加藤官房長官、第3位は茂木外務大臣、第4位は河野大臣、第5位は橋本オリンピック担当大臣」とあります。こういうことを、初閣議で宣言して決まっているのです。これについて、どういう段階で役職を引き継ぐのかということが、「事故があったとき」、「総理が欠けたとき」と、曖昧な表現なのです。
飯田)法律の文言が曖昧なのは問題です。
4月の安倍総理の答弁~「意識があるうちは自分がやります。意識がなくなったら麻生副総理が引き継ぎます」
篠原)実は、私は4月の安倍総理の会見で、「どういうときに引き継ぐのか」と聞いたのです。すると安倍総理は、意外と淡々と「意識があるうちは自分がやります。意識がなくなったら麻生副総理が引き継ぎます」と。これはいままでの日本の政治にはなかった答弁なのです。初めて明確になりました。これは法律ではありませんが、今後、国家に何かあったとき、総理に何かがあったときの重要な指針になるのだろうと思います。
飯田)イギリスのジョンソン首相は、確かにICUに入ったときに、職務代行をラーブ外相に引き継いだけれど、日本はICUに入ったとしても……。
篠原)意識があるうちはやると、安倍総理のそういう指針もあります。
飯田)国会答弁ではなかったものの、総理の答弁として今後は参照される。すごい質問をしましたね!
篠原)ありがとうございます!
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