ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月29日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。厚生労働省が10月28日に公表した新型コロナウイルスの感染状況について解説した。
東京、青森、福島、沖縄の1都3県の医療提供体制の指標が「ステージ3」に
厚生労働省は10月28日、新型コロナウイルスの感染状況について、都道府県ごとの最新データを公表した。それによると、病床の逼迫(ひっぱく)具合では、東京、青森、福島、沖縄の1都3県が医療提供体制に大きな支障が出ることが懸念されるとして、2番目に深刻な「ステージ3」の指標を超えたことがわかった。
飯田)また、新型コロナウイルスの感染者が増加傾向にある北海道は28日、感染状況に応じた5段階の道独自の警戒レベルを、もっとも低いステージ1からステージ2に引き上げています。
新型コロナの感染者数は減っていない
鈴木)数は減っていません。何となく、Go To のような流れが来ると、少し油断している感じがどうしても出てしまいます。しかし、冷静に見ると、実は数字はほとんど変わっていません。東京は、毎週月曜日はしばらく2桁で数字が低かったのです。それは、土日の検査が少ないということもあったけれど、26日は月曜日も3桁でした。東京都に取材をしたら、「東京以外の近隣の人たちの検査も受け入れて、それも陽性になれば病院でカウントされるので、純粋に東京だけの数字ではありません」と言われました。ただ、次の日から3桁になって、ずっと高止まりです。気になるのは、北海道など、観光の人気がある地域です。それから、地方の主要都市などが増えて来ています。北海道の鈴木知事は先手で行くのですが、それが功を奏しています。
飯田)感染の最初の時期も、いちばん最初に道独自の緊急事態宣言を出しました。
これからはインフルエンザに対する対応を加味して考える必要がある
鈴木)官邸に来て、「やります」と言いました。あれがいい刺激になりました。あの時期、リードしたのは北海道、大阪、東京です。ここが独自に走ったことによって、いい意味での緊張感が高まって、国も動いたので、これは悪くないと思います。テレビによく出ているお医者さんと先日一緒になったので聞いたのですが、前の数字と違うのは、重症者の数や、無症状の人の数が多いので、まったく同じに考えることはできないけれども、何と言っても、「怖いのはインフルエンザだ」と言っていました。まさに、これからその時期に入るわけだから、コロナの数字だけを見て構えるのではなく、インフルエンザを前提とし、加味した上で、態勢を考えなければいけません。「ステージ3」というのは、そういう意味合いも含まれていて、いい対応だと思います。
飯田)新型コロナウイルスに感染した患者さんへの対応が、少し変わって来ています。いままでは、指定感染症の1類、ほぼ2類で「全員入院」という形だったものを、24日から、無症状や軽症の人は宿泊施設や自宅での療養ができるようになりました。その辺りも、今後患者が増えたときのために、いまのうちにやっておくということでしょうか?
外出した場合の「罰則付き条例」
鈴木)そうだと思います。ただ、同時に考えなければいけないのは、無症状だと、ホテル療養もそうですが、自宅療養となると、「症状がないのに自宅にいてと言われてもな」ということで買い物に出たり、必要に駆られて外出したりすることがあると思います。そこをケアしないといけないですよね。
飯田)それを、一挙手一投足まで行政が見ることができるのかというと、なかなか難しい。
鈴木)それは無理ですよ。
飯田)それこそGPSをつけないといけない。
鈴木)東京都の一部会派が、外出した場合の「罰則付き条例」の議論をしています。それが成立するかしないかは別としても、そういう問題意識を持って考えるということは大事です。自宅待機しているのをチェックするわけにも、GPSをつけるわけにもいかない。でも、自覚の問題になりますから、そこを促すための1つの議論として、罰則付き条例というのも1つの方法かなと思います。
個々のなかでも、「ステージが変わる」という意識が必要
鈴木)そういうことを含めて、私たち1人ひとりの心構えや考え方も、1つステージが変わるということです。いままではマスクをして、外に出ないとか、喋らないということだったけれども、今度はウィズコロナのなかで、「自分で何に気をつければいいのか」ということを考える。個々のなかでもステージが変わるという意識が必要です。
飯田)これまでの成功体験として、マスクをして手洗い、うがいをするということが重要だったのだということがわかりました。
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