黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ代表取締役社長の山崎雅人が出演。クラウド電話サービスがもたらす新しい通話の形、また、変わりゆくITのあり方について語った。
黒木)今週のゲストは株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ代表取締役社長の山崎雅人さんです。ビジネスシーンに向けてさまざまなITサービスを提供されていますが、新しいサービスについて教えてください。
山崎)「Twilio(トゥイリオ)」というクラウド電話サービスと言われるものです。電話というと、電話会社に申し込みをして、工事をして、使えるまでに2週間くらいかかります。そのような形で提供されて来たのですが、いまは時代が変わって、インターネット上から申し込むと、初期費用がかからず、すぐに無料トライアルを始めることができるというサービスになります。
黒木)ということは、今後、家電はなくなって行くのですか?
山崎)通常の電話は、すでに使われなくなって来ています。最近の若い人たちには、いわゆる「家電」を持っていない方も少なくありません。携帯電話を使っての通話も以前と比べると減っているようです。
黒木)でもこのサービスは、電話のサービスですよね?
山崎)「電話の通話を安く早くする」というサービスですので、会話をするということ自体は変わりませんが、電話を使うときに、「このような設備が必要で、こういう電話機が必要」などということはなく、「手軽に使えるような環境をつくる」というサービスです。
黒木)本体は買わなければいけませんよね?
山崎)スマートフォンなどは必要になります。
黒木)そういうものは買う必要があるけれど、すぐに通話ができるようになる。
山崎)そうですね。「通話ができる」というと、普通の電話でも通話はできるのでピンと来ないかも知れません。しかし、パソコンから簡単に通話ができるようにするなどの機能は、企業さんが多く使われるサービスなのですが、新しく会社をつくる際に、工事をして設備をつくって、というようなことをしなければいけないのが、「パソコンで申し込みをすると、パソコンを使ってそのまま電話ができてしまう」というような使い方のサービスです。
黒木)なるほど。
山崎)あるいは、チケットを買うときに、本人確認のために、送られて来たコードを入れるとチケットが買えるというような、セキュリティとしてのツールを提供することもできます。あらゆるところで、このITを使って便利にコミュニケーションを図りましょう、というときに使う部品のようなものをたくさん提供しているサービスになりますので、表からはほとんど見えず、裏側にいろいろなことがたくさん入っているというようなサービスになります。
黒木)どんどん変わって行きますね。どんどん変わって行くことに関して、社長としてはどのように考えていますか?
山崎)便利なものがあっても、使えない人が多いということではいけません。誰もが簡単に使えるサービスをさせていただいています。
黒木)KDDIウェブコミュニケーションズは1987年に立ち上げられたということですが、ビジネスシーンはずいぶん変わって来ましたよね。その辺りはどのように考えていますか?
山崎)創業したころは、まだインターネットはそれほどメジャーではなく、知る人ぞ知るという世界でした。
黒木)87年ですとそうですよね。
山崎)1フロアにパソコンが1台というような時代でしたので、誰かとつながるためではなく、どちらかというと忘れないように記録したり、綺麗にワープロを打つということがITの世界でした。それが変わって来て、1人1台パソコンを持つ時代になって、いまではパソコンすら持たずに、スマートフォンやタブレットを使って仕事をしてしまうような時代になっています。我々も長くこの世界にいますが、最初にやっていた仕事といまやっている仕事では、まったく違います。使う頭も違いますし、「ついて行けるのかな」というような話も出ています。
黒木)事業内容もまったく変わって来ていますよね?
山崎)そうですね。昔は使うことが目的で、「その環境をつくる」ということを提供していたのですが、いまは「使って何をするのか」ということをお客さんに提供する、という時代に変わって来ているのかなと思います。
山崎雅人(やまざき・まさと)/(株)KDDIウェブコミュニケーションズ代表取締役社長
■1990年、第二電電株式会社(現KDDI)入社。業務系、営業支援系のシステム開発、企業向けサービス企画・開発、事業企画等を担当。
■2016年、KDDIウェブコミュニケーションズの社長に就任。小規模事業者の課題解決・IT化促進、新しい働き方、情報格差の解消などが関心ごと。
【株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ】
■1987年からレンタルサーバー事業「CPI」創業。30年以上続く老舗ブランド。
■2009年、専門知識がなくても簡単にホームページを作成できるドイツのホームページ作成サービス「ジンドゥー」と日本での独占契約を締結。「ジンドゥー・ジャパン」としてサービス提供。現在までに200万サイトが日本でつくられている。
■その他にも、クラウド電話APIサービス「Twilio」、ブログサービス「g.o.a.t」を展開。
■「高いITスキルがなくとも直感的に使える」というポイントでサービスを提供。ITを家電のように気軽に使える社会を目指している。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳