追加経済対策~必要なところにもっと迅速な支給を
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月8日放送)に参議院議員で自由民主党新型コロナ対策本部・本部長代理の武見敬三が出演。政府の追加経済対策について解説した。
年明けから春先にかけての深刻な事態を回避するため大規模に対策を講じる
政府が12月8日に決定する、新型コロナ対策などを盛り込んだ追加経済対策は、民間投資を含めた事業規模の総額で、およそ73兆円にのぼることがわかった。
飯田)事業規模は73兆円、そのなかで真水がいくらになるのかというところも議論となっております。どうご覧になりますか?
武見)これは当初から「30兆円くらいの国庫負担で事業規模をつくるべきだ」ということは先行して言われていました。実際に「その通りになった」というのが、正直な私共の見方です。
飯田)なるほど。
武見)ただ、感染症の長期化で実体経済へのダメージが継続して悪くなっている。それから教育を含めた社会活動もまだまだシュリンクして回復して来ていない。一時、Go To の効果もあって、9月~10月の観光業、飲食業については落ち着いた状況も出て来たのですが、またここで感染者が増えて、相当厳しい規制を再びかけなければいけないという状況になっています。その状況は日本だけではなく、主要先進国も同様です。このような状態のなかで年を越すと、経済状況はさらに悪化して、それが国際的に連動するのではないかという不安が強く出て来ています。ここで改めて3次補正を組んで、国庫負担で30兆円ほど確保して大規模に支援を講じる。これをやらないと深刻な事態が来年(2021年)の年明けから春にかけて出て来る、そういう見方をしています。
飯田)新聞各紙、この中身を報じていますが、先々の環境への投資というようなものも、なかには盛り込まれています。
武見)当然です。
雇用調整助成金は延長の継続が決定
飯田)日経では、「コロナ対策に実際に充てられるのは6兆円くらいではないか」という指摘もありました。給付金などの話は出なかったのでしょうか?
武見)雇調金(雇用調整助成金)に関わる延長に関しては、継続することが決まっています。この状況だと、さらに継続することも視野に入って来ました。
飯田)3月までではなく、もっと先まで。
事業者に給付金が届いているのは当初予定の半分以下~スムーズな支出への改善が急務
武見)それから同時に重要なのは、交付金の給付です。実際に申請して事業者の皆さんや個人が受け取るまでに時間がかかり過ぎる。10兆円あった予備費のなかからも、交付金が相当数支出されているはずだったのにも関わらず、現実に事業者のもとに届いている金額は当初予定の半分以下です。こういう状態をいち早く改善して、スムーズに交付金が必要なところにキャッシュとして入って来る、その手続きの改善が急務だと思います。
飯田)第2次補正予算で10兆円の予備費を積んで、まだ7兆円くらい残っているとされています。これをどう使うのだという議論もありましたが、これは目詰まりして使うに使えなかったところがあるということでしょうか?
武見)そういうことです。目詰まりしている原因を改善するということを同時にやらないと。いくら予算をつくっても、効果的に支出されなかったら意味がない。そこを財務省と、実際に実行する官庁が地方自治体と連携して、どこまでスムーズな交付金の支出ができるようになるか。これから1~2ヵ月、問われることになると思います。
第3次補正予算の議論は臨時国会でも行われた
飯田)補正予算の議論も「先の臨時国会でやれなかったのか」という批判もありますが、これはどうですか?
武見)臨時国会だって第3次補正、それから当初予算に関わる議論を、散々やったのですよ。
飯田)予算委員会だとか。
武見)そういうものを受けて今回の決定ですから、私は妥当な意思決定のプロセスだと思います。
限定的な「消費税減税」は時期尚早か
飯田)野党の一部から、期限付きでもいいから消費税を下げたらどうだという意見も出ています。
武見)それはまったく時期尚早。もっと深刻な事態になる可能性もありますから、そういうカードは最後の最後まで取っておくべきです。
飯田)いまはまだ早い? 「もっと深刻」というのは? 既に失業率が3.1%まで来ていて、雇用にも影響が出つつあるようにも見えますが。
増加する自殺者への対策を講じる必要がある
武見)それは我々も深刻に受け止めています。極端な例とも言われるかも知れませんが、自殺者数がじわりじわりと上がっています。4月、5月の段階では減って来て、我々は胸をなでおろしていたのですが、秋に入ってから、女性の自殺者が増えたと言われ始めました。ですがいまは男女関わりなく自殺者の増加がみられます。
飯田)確か10月の数字が2200人以上で出ていたはずで、どこが要因かというのはまだ出ていませんが、経済面もかなり大きいと思わなければいけません。
武見)著名な方の自殺があると、それが引き金となって一気に増えるという傾向があります。10月にはそういう傾向もあってか、一気に伸びました。しかしいまのところ基調では、自殺者は増え続けています。これは背景に深刻な経済的な状況の変化があると考えて間違いないですから、自民党としてはそのための対策をもっときめ細かくやらなければならない。相談センターやハローワークなどに、閉塞したお気持ちを持った方が相談できるような仕組みを強化して実行するという話を始めています。
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