ダウン症の人がコロナ禍で注意することは~日本ダウン症学会理事長・玉井浩

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ニッポン放送「すくすく育て 子どもの未来健康プロジェクト」(12月6日放送)に、日本ダウン症学会理事長の玉井浩が出演。ダウン症と新型コロナ対策について語った。

ダウン症の人がコロナ禍で注意することは~日本ダウン症学会理事長・玉井浩

ニッポン放送「すくすく育て 子どもの未来健康プロジェクト」

自見はなこ:今年(2020年)は、新型コロナウイルスの流行がありました。日本ダウン症学会のホームページでは、『みなさんに伝えたい「あいうえお」』というもので注意を促していますね。

玉井:「あいうえお」に合わせてつくりました。

●あんしんしよう

●いのちがだいじ、いえにいよう

●うんどうしよう

●えがおでつながろう

●おちつくもの、こと、場所を大切に

こういった標語のようなものです。新型コロナウイルスの感染拡大で家にいなくてはならない子どもたち、特にダウン症の子どもたちを勇気づけるようなポスターにしてお配りしました。

自見:ダウン症の方に限らず、私たちにも当てはまりますね。特に「あんしんしよう」が最初にあるのはいいですよね。高齢者の方などにも使えますし、すばらしいと思います。先生にお聞きしたいのですが、ダウン症の方というのは、新型コロナの感染リスクは高いのでしょうか?

玉井:ダウン症だから新型コロナウイルスに感染しやすい、というわけではないと思います。しかし、ダウン症の方は心臓の病気を持っていらっしゃる方も多いですし、乳幼児では「低緊張」のため、呼吸器感染症が重症化しやすく、新型コロナに感染すると重症化してしまうかも知れません。

自見:ダウン症の方が「コロナ禍で特別に注意すること」はありますか?

玉井:メンタルケアが重要とも言われています。家に閉じこもっていれば不安や緊張が増すばかりで、ストレスから夜驚症やチック、常同行動を示すようになるのは、ダウン症でなくても同じです。テレビの視聴を制限して、過剰な不安を与えないようにすることも大事です。メディアによっては理由もわからず、不安な部分だけが強調される傾向にあるからです。また、YouTubeやゲームの時間も長くなりやすいので、昼夜逆転してしまったり、生活リズムの乱れを引き起こさないように注意しましょう。

自見:最後に、ラジオの前の子育て中のママやパパへ、メッセージをお願いします。

玉井:楽な子育てなどありません。どんな子育ても、希望があるからできるのだと思います。障害を持ったお子さんの子育ても同じです。子どもたちが生きやすい社会は、誰にとっても生きやすい社会ですから。その子の未来を素晴らしいものにするためにも、心のバリアフリーを1人1人が持ちたいものです。

番組情報

すくすく育て 子どもの未来健康プロジェクト

毎週日曜 6:04-6:13

番組HP

この番組は、子育てで日々奮闘しているママやパパ、そしておじいちゃん、おばあちゃん、ご近所さんなど、子育てに関わる皆様に、役立つ情報を提供してゆく子育て応援プログラムです。
ナビゲーター:尾木直樹 アシスタント:淵澤由樹(フリーアナウンサー)

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