森会長の後任人事~候補者検討委員会では“最終的な決定”はできない
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月16日放送)に数量政策学者・内閣官房参与の高橋洋一が出演。森喜朗五輪・パラリンピック組織委員会会長の後任人事について解説した。
森会長の後任候補者検討委員会
辞任を表明した森喜朗東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長の後任を選ぶ候補者検討委員会は2月16日、1回目の会合を開く予定となっている。
飯田)選考基準を決めて17日に候補者を数人に絞る見通しだということです。
高橋)マスコミの人は人事が好きですね。
飯田)人事と政局と同じような感じですよね。
検討委員会をつくっても最後は理事会で決定する
高橋)大好きですね。今回のことは、手続き的には検討委員会と書いてあるけれど、実は定款を読むと、どのようなやり方でやるかということは書いてあるのですが、「理事会で決める」としか書いていないのです。ですから検討委員会をつくっても、最後は理事会で決めるのです。
飯田)候補を出して最後は理事会で決める。
高橋)意味がないと言えば、ないのだけれどね。
飯田)検討の選考委員会の選考委員会をつくるようなものになってしまう。
どんな組織でも透明性のある人事はない
高橋)最初に川淵さんが後任だと言われたのだけれども、後任という報道をするから変なので、本当は理事会に森さんが提案するという、そのレベルの話なのです。決まりでも何でもないのです。マスコミの人は人事に透明性を求めるけれど、そんな人事はありません。それは、メディアの会社の社長でも、透明性で選んでいるかどうかと言うと、そんなことはありません。
飯田)最後は「総合的に」という。
高橋)それは仕方のないことです。私は役人としてたくさんの人事をして来ましたけれど、人事をすると8割くらいは文句を言われます。
飯田)どんな決め方をしても。
高橋)自己評価と客観的評価が違っているのですよ。人事というのは難しい問題なのです。だからトップが集中して決めるという、それだけなのです。やってうまく行くかどうかは、やってみなければわかりません。一般的には、トップは外向けの顔と内向けの顔と両方あるわけです。両方必要なのです。だいたい外から言う人は外向けの顔だけを見るけれど、仕事で大きいのは、内向けの顔なのです。
飯田)組織をどう動かすかという。
高橋)森さんはいろいろ悪口を言われているけれども、県をまたがったオリンピックの実施などはすごく努力をしていたし、内向きはいいですよ。だから、一緒に仕事をした人は、悪く言わないのです。
問われる報道のあり方
高橋)今回も森さんの発言の一部を切り取っての報道が多くありました。全文を読むと、「女性は有能だから増やすときには女性だ」ということも言っていたのです。私には、決して女性蔑視とは読めませんでしたが、これを外に報道するときに「セクシスト(性差別主義者)」という表現を使うのです。
飯田)海外への報道で。
高橋)そうなると絶対にアウトです。全文を出していれば別ですけれど、全文がなく、切り取った部分と「セクシスト」で終わってしまうと、これはアウトです。今回は、森さんの話以上に、報道のあり方という問題が出て来たように思います。
飯田)ワイドショーなども含めて、メディアスクラム状態になっているともありました。
高橋)「政府は何をしているんだ」と言うけれども、よその会社の話に口を挟むわけにはいかないでしょうとしか言いようがないですよ。
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