ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月17日放送)に作家で自由民主党・参議院議員の青山繁晴が出演。医療従事者を対象に先行接種が始まる新型コロナワクチンについて解説した。
新型コロナワクチン~医療従事者を対象に先行接種を開始
河野太郎行政改革担当大臣)いよいよコロナ対策の切り札と言われるワクチン接種が始まりますので、国民の皆さまにベネフィットとリスクを正確に理解していただいた上で、多くの方に接種していただくことを期待したいと思っております。100の医療機関から先行接種の候補者として提示をいただいておりました約4万人の医療従事者に対して、接種を開始いたします。
ワクチン接種を担当する河野太郎行政改革担当大臣は2月16日、記者会見を行った。医療従事者を対象にワクチン接種を始めると発表し、国立病院機構など100の医療機関でおよそ4万人を対象に先行接種されるということである。
なぜ国産ワクチンがないのか
飯田)アメリカのファイザー社製のワクチンが接種されるということになります。これは新型コロナに対するゲームチェンジャーになり得ますか?
青山)今回の武漢熱に限らず、感染症については、ワクチンが決定打になり得るのは変わりません。ただし、日本でいちばん大きな問題は、「なぜ国産ワクチンがないのか」ということです。自由民主党の部会などでも私は主張していますが、当面ファイザーやモデルナ、アストラゼネカという輸入ワクチンに頼らざるを得ないとしても、医療問題を超えて国家安全保障の問題と捉えなおして、輸入に頼らない国産ワクチンを使える状況にするべきです。しかし、いつも政府側から答えがないので、先日、「この方面だけ日本の技術力がないのはおかしい。実は余計な規制が邪魔しているのではないか。命に関わることですから規制は大切ですが、非常時、緊急時に対応できる規制体系でないといけないのではないか」という質問をしましたら、厚労省の担当のトップから「薬事規制の問題ではありません」という答えが返って来ました。部会は一問一答なので、その答えでやむを得なかったのですが、あとでこれに関わる党の主要な方から「本当は規制が絡んでいると思います」と言われました。ですので、新たにチームをつくって打破して行きたいと思います。メーカー名は言いませんが、現在2社が一生懸命やっていて、臨床実験もある程度はやっています。東京大学の世界に知られている先生で、いますぐ医学・生理学賞を獲ってもおかしくない方もいらっしゃいます。出だしは今回、輸入のファイザーなどですが、やがては国産にするべきです。
先行国では、ワクチン投与の効果が出ている~7月23日に東京五輪の開会式はできる
青山)その上で、1つのいいニュースは、各国でワクチン投与が始まっていますが、効果が出ているということです。特に海外の製薬業界は儲けが大きいから、いままで大きなスキャンダルもありましたが、いまのところは、製薬会社が言っていただけの効果は出ています。副反応も想定していた通りに収まっているので、これから局面は大きく変わることは間違いありません。そういう意味からも、7月23日にオリンピック・パラリンピックの開会式はできると思います。
飯田)開催できる。
先は明るい
青山)株価が高いのも、庶民は困っているのに、金融緩和でマーケットではカネ余り現象が生じているからであるということを株式の専門家の方はおっしゃっています。さはさりながら、私が証券記者をやっていたときのいちばんの印象は、「株価は足元を見ず、先しか見ない」ということです。この先、ワクチンによってみんなが外に出るようになり、需要が必ず回復すると見て、いま、株価が高いのです。ワクチンが普及して武漢熱が収まって来る気配が見えたら、逆に株価は下がります。
飯田)見込みで買って実体で売るということですか?
青山)そういうテクニックだけでなく、いま諸国は財政出動をして体制を取っています。それが打ち止めに近くなるときが来るので、それが見え始めたら株価は「ドン」と下がります。一旦下押しして土台をつくることも大事ですが、いま苦しんでいる方、失業されている方は多いです。感染なさった方、死亡した親族の方など絶望の淵にいらっしゃる方も多いと実感しています。しかし、いま言えることは、「先は明るい」ということです。
この先、必ずウイルスは違う形でぶり返す
飯田)青山さんは、さまざまな感染症をご覧になっています。このコロナに関しては、ワクチンが出て感染が収束するであろうということですが、流行性のインフルエンザのように、また冬になると感染者が増えるなど、今後の見通しなどはどうですか?
青山)私は感染症に携わり24年目ですが、それは必ずあります。
飯田)その意味でも、国産のワクチンをつくっておかなければいけないのですね。
青山)ウイルスは変異するのが仕事であって、ウイルスが変異できなかったら、いまのように存続することはできていません。必ず変異を起こしますから、ワクチンも変わらなければいけませんし、そういう意味では、この先鎮まって行くと断言しますが、また違う形でぶり返すでしょう。
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