東京五輪よりも北京冬季五輪開催の方が難しい
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ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」(2月24日放送)に数量政策学者で内閣官房参与の高橋洋一が出演。中国のウイグル政策による北京冬季オリンピックへの影響について解説した。
ウイグル政策によって難しくなった北京冬季オリンピックの開催
ブリンケン米国務長官が中国政府による新疆ウイグル自治区でのイスラム教徒少数民族の弾圧を「ジェノサイド(民族大量虐殺)」と認定したことに続き、カナダ下院も2月22日、中国新疆ウイグル自治区で行われているイスラム教徒のウイグル族らへの人権侵害は「ジェノサイドだ」と非難する決議を採択した。
高橋)東京オリンピックより、北京オリンピックの方が心配ですね。ジェノサイドというのは、平和の祭典であるオリンピックとは真逆です。これは厳しいと思います。
新行)イギリスはボイコットも示唆するようなことを言っていますよね。
注目される日本の今後の対応
高橋)ヨーロッパは当然そうです。アメリカは、政府がジェノサイド認定をして、カナダは、議会がジェノサイド認定をした。そうすると、これはヨーロッパに広がります。いまでもヨーロッパで100以上の団体が、「ボイコットをしろ」と言っています。ヨーロッパと北米が参加しなかったら、冬季オリンピックは成り立ちません。参加国はロシアと中国と韓国と日本くらいしかいなくなってしまう。そうしたらアジア大会だと言われてしまいますよね。この人権問題は大変なことで、これに対して、日本政府がどのように対応するのかというのは興味深いです。外務省の人がよくわからない発言をしていますが。
新行)「ジェノサイド条約に日本は加盟していない」ということなのですよね。
高橋)外務省は几帳面で、国内法の整備を理由にしているのだけれど、ジェノサイドなどいけないに決まっています。必要であれば、国内法を整備すればいいし、国際協定にはいろいろな抜け穴があるから、そういうものをうまく使って加盟してしまうという手もあるのです。そんなことは理由にならないと私は思います。いま日本政府はこれをどうするか検討しているのでしょう。
新行)そうなのですね。
高橋)課長レベルで、「日本はジェノサイド認定しません」ということを一部言ってしまったらしいけれど、それは政府の見解とは違います。これからどうなるか。ヨーロッパの動きを見ながらやるべきです。日本がもし認定してしまったら、北京オリンピックは難しくなってしまいます。
ジェノサイド条約~152ヵ国が批准
新行)ちなみにジェノサイド条約を調べたのですが、国連加盟国の3分の2以上、152ヵ国が批准しているということです。
高橋)だから日本も批准しないとおかしいのです。いろいろな条項がありますし、いまのままでも私はできると思いますけれど、それでも難しいのであれば、国内法を整備すればいいと、私はそういう立場です。
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