日本へのワクチンの供給が遅れている本当の理由
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ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」(2月24日放送)に数量政策学者で内閣官房参与の高橋洋一が出演。河野担当相が語った高齢者へのワクチン接種方法について、また、日本へのワクチンの供給が遅れている理由について解説した。
河野太郎大臣、高齢者向けのワクチンは人口に応じて配布
ワクチン接種を担当する河野太郎行政改革担当大臣は2月23日、4月以降に接種予定の高齢者向けの新型コロナウイルスワクチンについて、感染者数を考慮せず、人口に応じて都道府県に配布する考えを示した。
新行)23日に出演したテレビ番組で河野大臣が話しました。医療関係者へのワクチン接種が始まりましたが、今後の供給量が不透明な部分があり、河野大臣は今週中にも新たな接種計画を示したいとしています。
高橋)これは国の仕事かも知れませんね。最初は高齢者向けで、感染者数に応じてというようにきめ細かくはできないから、簡単なやり方で最初はやると。そうしないと、不公平だという話になります。あとは供給がスムーズには来ないだろうから、人口割ではできなくなると思います。供給がうまく来ていれば、人口割でやってもいいのだろうけれど、供給が少なくなれば、それをどう配分するかということを考える必要があるでしょう。そういうときには、感染者数の多いところに配分するということだと思います。
日本は他の国と比べて感染者数が少ないのでワクチンの優先順位が低い
高橋)世界中でもワクチンの配り方はそうです。日本はワクチン接種が遅れていると言うでしょう。遅れているのではなくて、日本は感染の程度が低いからなのです。ワクチンが遅れている国は、オーストラリアとニュージーランドと日本と韓国ですが、この4ヵ国は感染の度合いが世界に比べて低いからあとなのです。こんなときに、「日本が先に」などと言ったら、国際的に非難を浴びてしまうかも知れません。世界から見れば、もっと大変な国がたくさんあるから、そこが優先なのです。
新行)いまワクチン争奪戦という話も聞いたりしますが。
高橋)争奪戦だけれど、遅れると言っても、1~2ヵ月というレベルです。そのくらいは仕方ないのではないでしょうか。お金にものを言わせて奪い合うということは、しない方がいいと思います。世界中から見れば、日本の人口当たりの感染者数は1桁~2桁違うというレベルですし、死者数も全然違いますからね。
ワクチン接種の方法~「練馬区モデル」はワクチンの供給が十分になってからか
新行)そしてワクチンの接種の仕方をどうやって構築して行くかというのも、これからの検討課題かと思います。個別であったり、集団であったり、その順番など。
高橋)集団の方が一気にできるから、基本は集団だと思います。ワクチンの供給が十分になれば、個別接種も行うのではないでしょうか。練馬区などは、かかりつけ医に小分けにしてというのがありますが、それはワクチンがたくさん来たときです。
国産ワクチンは2022年以降か
新行)今後、日本の国産ワクチンがどうなるのかが気になります。
高橋)2021年は難しいでしょう。治験をしなくてはいけないから。日本は感染者数が少ないからできなくて、海外でやるしかないわけです。だから遅れますけれどね。コロナは毎年必ず来ますから、次の年に日本の国産のものを打つと考えればいいのではないですか。
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