ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月10日放送)に数量政策学者で内閣官房参与の高橋洋一が出演。Go To イートのポイント期限を延長する方針であるというニュースについて解説した。
Go To イートのポイント、期限延長を検討
野上農林水産大臣)Go To イートのポイント事業におきましては、予約を入れる期限については現在3月末までとなっておりますが、国としては、予約を入れる期間を一定期間、最長では6月末までの範囲内で延長することができないか検討いただいているところであります。
野上農林水産大臣は3月9日、新型コロナウイルスの影響で売り上げが落ち込んでいる飲食業界の支援策「Go To イート」のポイント付与事業について、ポイント利用のための予約期限を3月末から6月末までに延長する方針であることを明らかにした。有効期限が3月末のままだと、付与されたポイントのうち30億円相当のポイントが利用されずに失効する可能性があるということである。
飯田)オンラインで予約すると、次回以降使えるポイントが付くという事業で、貯めたポイントをどう使うのかというようなことが言われておりました。
高橋)これは役人的には、「予算を使いたい」ということが裏側にあるような気がしますけれど、飲食店が大変であることも事実です。これは苦肉の策なのでしょうけれどもね。
1人で黙って食べるのであれば何時だろうが問題ない
高橋)上手に管理をしながら、飲食をするという手もあると思いますけれど。
飯田)感染予防をしながらですね。
高橋)最近どの飲食店でも、席数を半分にして、向かい合いにならないようにするなど、工夫していますよね。
飯田)「黙食」などという言葉も出て来ました。
高橋)1人で黙って食事したら何も悪くないですよ。大人数で行って大騒ぎするというと、問題なのですけれどね。ポストコロナも睨んだ、生活を変えるという意味でも、上手に管理しながらやるという手もあるような気がしますけれどね。
飯田)緊急事態宣言で、夜8時でお店が閉まるということになっていますけれども、だからといって、「昼ならばいいだろう」ということで昼にドンチャン騒ぎをしたら同じことで、夜の11時であろうが、黙って食べていれば、そちらの方がよほどリスクが低い。
高橋)1人で黙って食べる、もしくは2人で行っても黙って食べるということであれば、問題ないですよね。話して、そのときに唾が飛ぶというのが問題なのですよね。
データが変更して意思決定ができなくなってしまった~解除という意思決定ができずに延長せざるを得なかった
飯田)数字としては感染者数が下がって来た。当初の目標はクリアしたけれども、緊急事態宣言は延長されてしまった。これは経済の影響も含めて、驚いた方も多いのではないでしょうか。
高橋)科学的にはわからないですね。普通に考えると、宣言をした1月には、「ステージ3になったら解除する」と言っていたのに、ステージ3になったら、今度は「ステージ2を目指す」と、わけがわからなくなってしまいましたしね。あとは東京都の方でベッド数が急に増えましたが、ああいうものはデータベースの仕事をしている人から見たら、混乱しますね。
飯田)そうですよね。
高橋)いろいろなデータが変更になったときには、実際に意思決定ができなくなるのですよね。意思決定ができないから、解除という意思決定ができずに、緊急事態宣言も延長してしまった、せざるを得なかったのかなという気がします。
飯田)500床から1000床にポンと増えたというのが、「どうして」という感じがしますね。
高橋)「基準が違う」などと言っていましたけれど、「それでは他のデータはどうなの?」とかね。もしこれで解除するという意思決定をして、「基礎データはどうですか」と言われて東京都から出て来たものを全部聞かれたら、わからなくなってしまいますよね。説明ができなくなってしまうので、こういうときに意思決定ができないのです。
飯田)そうすると現状維持をせざるを得ない。
高橋)そうです、現状から変更するときに説明責任が引っかかるのですよ。でも現状から変更しなければ説明しなくていいという、消極的なスタンスになってしまう可能性があるのです。
東京都には変更したデータに関しての説明責任がある
飯田)これは東京都から出ているデータと、厚生労働省が出しているデータに齟齬があったと。厚生労働省側は「きちんとしたデータを出せ」と、以前から要求していたという話もありました。そうすると説明責任は都側にあるということですか?
高橋)それはそうですよ。他に、一般から見ると、解除をしたら、「このデータは大丈夫? このデータは大丈夫?」と聞かれるではないですか。「それが堪らないから意思決定をしないのだ」と、役人だと思ってしまいますね。
飯田)でもトップは政治家ですよね。
高橋)東京都の方から、「こういう理由で変えました」という説明は少しありましたけれど、「他のこの部分は大丈夫です」、「ここはこうなっています」と細かく説明してもらわないと、なかなか大変ですよね、こういう話では。厚生労働省がまずわからないですよね。データが出ているのは東京都の話ですから、東京都の方から、まずきちんと説明してもらわないと、他の人を納得させるのは大変です。
データではなく「感覚」での判断になり、飲食店などの人は先の見通しができない
飯田)飲食店や宿泊業の人は相当打撃を受け続けますよね。
高橋)そうですね。だからこういうデータベースの話ができなくなって、「感覚」が中心にならざるを得ないのですよ。そうすると以前の豊洲の「安全基準はクリアしているけれど、安心ではない」というわけのわからない話に近くなってしまうのです。
飯田)もうお気持ちの部分になってしまうと。
高橋)お気持ちになるとわかりにくいのです。
飯田)それぞれ違いますからね。
高橋)業者の方も予見の可能性がなくなって、不安になるパターンですね。
飯田)その不安でお店を畳んでしまう人たちが出て来てもおかしくないですよね。
高橋)先が見えていれば、いろいろと頑張れますけれどね。先が見えないのは最悪ですよ。
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