日本は尖閣諸島の施政権を世界に示すべき
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月24日放送)に数量政策学者で内閣官房参与の高橋洋一が出演。陸上自衛隊が島嶼部などでの有事を想定した過去最大規模の演習を検討しているというニュースについて解説した。
自衛隊が島嶼部の有事を想定した過去最大規模の演習を検討
陸上自衛隊が2021年9月から11月にかけ、島嶼部などでの有事を想定した過去最大規模の演習を検討していることがわかった。全国規模の演習は28年ぶりで、ほぼ全隊員の約14万人が参加する見通しである。
飯田)3月23日配信の沖縄タイムスが報じています。
高橋)今後10年間くらい、中国がいろいろと覇権争いをして来ます。10年間くらい耐え忍ぶと、中国も苦しくなります。こういう話は毎年続かざるを得ないのではないでしょうか。中国の核心的利益でまだ手付かずなのは、台湾と尖閣なのです。台湾の方はがっちりやっているので尖閣は手薄になるのです。両方でバランスを取るというやり方をしないと、片方だけになってしまいます。国の存亡がかかりますから、台湾も必死です。日本も同じでしょう。海洋進出という中国の意図からみたら尖閣を潰すのは簡単です。尖閣のそばに米軍との射爆撃場があるでしょう。
飯田)ありますね。
高橋)そこで日米訓練をするというのも、そういうことを頭に描きつつ自衛隊がまずやるという話ではないでしょうか。いきなり日米訓練をやるのは不自然ですから。とりあえずは最初に自衛隊が守らなければ仕方がないので、自衛隊が演習をして、その後、日米訓練を尖閣近くでやるという流れではないでしょうか。自然な流れで、それが切迫して来たから、こういう形になっているのだと思います。
飯田)東シナ海での大規模な日米訓練についても報じられていました。
高橋)今後10年間くらいが正念場です。ある意味で時間との勝負ということは中国もそうなのでしょうが、日本はそれに対応しなければいけません。今後10年間くらいで目鼻をつけないとならないという中国の経済的な事情があります。
施政権を世界に示すべき~施政権の行使にはいろいろある
飯田)報道ベースですが、今回は陸上自衛隊がやるようです。尖閣を守るということで言うと、海上自衛隊しかり海上保安庁しかりですが。
高橋)施政権を世界に示した方がいいです。施政権を簡単に示す方法として防御機雷があります。機雷を周りに置いておくことです。これは入ったら困るというだけです。「領海侵犯をするな」と言っているだけですから。
飯田)「ここにこういうものがある」と示しておくことですね。
高橋)それが施政権の行使でしょう。尖閣に定点カメラを置くなど、施政権の行使にはいろいろあります。
飯田)施政権の行使に関していろいろなアイデアは出ていますよね。
高橋)行政の行為ですから、1つの省庁が1個ずつやるということでもいいのです。
飯田)環境省が固有種の調査に入るとか、固定資産税の調査に財務省が行くなどということも考えられます。
高橋)何でもできます。施政権ですからすべてあります。
飯田)まさに国土ですから。
高橋)普通は現況調査をしに行きます。あそこの管轄は沖縄事務所でしょうか。行かないということは、管理していないということになってしまいます。陸上自衛隊や米軍だけに任せるのではなく、国全体でやるべきだと私は思います。
自衛隊や米軍に任せておけばいいということではない
飯田)国全体として考えると今回は島嶼部有事を想定したということになりますが、こういうことになった場合は、自衛隊だけでなくいろいろな省庁、地方自治体も含めて絡んで来る話ですよね。
高橋)みんなで調査に行くという。
飯田)防災に関しての、例えば南海トラフ地震を想定して、各省庁や自治体も含めて自衛隊も一緒になってやるということはありますが、こういう有事のときの想定訓練はいままでありましたか?
高橋)あまり聞いたことがありません。自衛隊や米軍に任せておけばいいと思っているのでしょう。本当はそうではありません。施政権の行使というのは、すべての行政官庁が行政権を行使することですから、全部に関係があります。国土であって、関係がない省庁などあるはずがありません。
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